新型コロナウイルスの第8波が猛威を振るうなか、ここにきてインフルエンザの感染も広がり、「同時流行」への警戒が高まっています。発熱患者が増え、岡山県内の医療現場は対応に追われています。


(高杉こどもクリニック 髙杉尚志 院長)
「インフルエンザも増えているが、当然コロナはすごく多いです。コロナの3分の1から半分くらいが、インフルエンザの数です」

総社市のクリニックではけさ(16日)、発熱した子どもを連れた保護者らが、ひっきりなしに訪れていました。

昨年末から、岡山県内の新規感染者が1日3千人を超え始めた、新型コロナウイルス。一方で、インフルエンザも全国的な流行期に入っていて、クリニックでは感染者が増え続けているといいます。

(高杉こどもクリニック 髙杉尚志 院長)
「先週は、火曜・水曜・金曜・土曜の診療で『コロナ35人』『インフルエンザが13人』でした。必死でやっているスタッフの家族がコロナになり、来られなくなっている。その中で診療しています」

岡山県の病床使用率は7割を超えていて、今年に入り岡山県は、感染状況の判断を4段階中2番目に深刻な「レベル3」に引き上げました。病床使用率は、去年夏の第7波のピーク時を超える高い水準となっています。

(岡山県医師会 松山正春 会長)
「例えば、救急隊に電話しても『確保病床がいっぱいだ』ということです。73%はいっぱいなんです。100%なんです」

同時流行による更なる感染拡大が懸念されるなかで、心がけてほしいことがあるといいます。

(高杉こどもクリニック 髙杉尚志 院長)
「熱が出て、抗原検査を『インフルエンザ』『新型コロナ』ともにするんですけど、感染しても陽性反応が出るのには約半日、12時間かかるので、具合が悪くないのであれば、少し待って受診してほしい」

また医療現場のひっ迫に備え、「事前に基本的な知識を把握してほしい」と訴えます。

(高杉こどもクリニック 髙杉尚志 院長)
「新型コロナとインフルエンザ、それぞれ感染するとどうなるか、みなさんに知識を入れてほしい。あらかじめシミュレーションしておくと、診察もスムーズにでき、多くの患者に対応できるので、ぜひ協力をお願いしたい」

岡山県では6日にインフルエンザ注意報が発令されていて、一層の感染対策がひとりひとりに求められています。