中国では「中華民族の共同体意識」を高める法律がきょう(1日)から施行されます。「民族の団結を損なう」と判断された場合は海外での言動も処罰の対象となることから、国際社会から懸念する声があがっています。
きょうから施行されるのは「民族団結進歩促進法」で、「中華民族共同体意識を強固にするための法律的な基盤を固め、中華民族の偉大なる復興という中国の夢を実現させる」ものとしています。
具体的には、▼就学前から子どもたちが中国語を使うことや、中国語教育を徹底させること、▼少数民族の文字の表記が必要な場合は併記が認められるものの、中国語表記を目立つようにしなくてはならないこと、▼家庭内でも「中華民族は一つの家族」という考えを教えることなどが盛り込まれています。
対象には香港や台湾も含まれていて、台湾の市民に対しても「中華民族への帰属意識を高め、ともに中国人であるという認識を強めるよう」求めています。
法律では「民族団結を破壊し、民族を分裂させる行為を禁止する」としていて、もし当局が「民族の団結を損なう行為」と判断した場合は処罰の対象となります。
さらに、「外部勢力による民族や宗教、人権を口実にした誹謗中傷行為に断固反対する」として、外国の組織や個人に対しても法的責任を追及できる条項も盛り込んでいます。
これらは新疆ウイグル自治区やチベット自治区の人権状況に対する欧米の批判を念頭に置いたものとみられますが、国際社会からは海外にいても法律の対象となることに懸念する声があがっています。
これについて、中国政府は会見で「国際法に合致したものだ」と反論。国際社会からの指摘については「粗暴な内政干渉である」と強く反発しています。
ただ、どのような行為が処罰の対象になるのかについて明確な説明はなく、法律の拡大解釈や恣意的な運用の懸念が指摘されています。
習近平指導部はここ数年、「中華民族の共同体意識を強化する」として、少数民族に対し中国語の使用を徹底させるなど、人口の9割を占める漢民族との同化政策を推し進めています。
今回の法律が施行されることでより一層、少数民族への統制が強まることが懸念されます。
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