2020年、宮城県柴田町で仲間と共謀し、勤め先の会社の社長に暴行を加えて死亡させ、金品を奪うなどした罪に問われた、パキスタン人の男の差し戻し審についてです。仙台地方裁判所は、6月25日、男に無罪判決を言い渡しました。
無罪判決を受けたのは、パキスタン人の男(43)です。

起訴状などによりますと、男は2020年7月、仲間と共謀して、勤務していた建設会社の社長で柴田町のインド人の男性(当時45)に暴行を加えて死亡させ、ビジネスバッグを奪ったなどとされています。

仙台地裁で25日に開かれた裁判員裁判の判決公判で、仙台地裁の榊原敬裁判長は、「検察側の主張以外にも、事実関係を説明できる仮説が存在する」と指摘。「被告人と共犯者らとの間で共謀があったと認定するには、合理的な疑いが残る」とし、男に無罪の判決を言い渡しました。求刑は懲役23年でした。

この事件を巡っては、2021年、1審の仙台地裁が懲役23年を言い渡したものの、続く2審の仙台高裁で、捜査段階の翻訳ミスが認定され、審理が差し戻されました。
差し戻し審に加わった裁判員は、言葉の壁を感じる裁判だったとして、判断の難しさを語りました。

裁判員の男性:
「正確な通訳なのかどうか自分でもわからない。意訳も含めて、本当にそうなのかどうか」
男の母語はパキスタンの少数言語で、判決後、弁護側は裁判での翻訳に課題が残ると述べました。
齋藤拓生・弁護士会見:
「男(パキスタン人)自身の理解力の問題もあるが、やはり通訳が的確にできていたのかどうか。あやふやな被告人質問の結果に基づいて事実認定するのは極めて危険」

一方で、検察側は「判決内容を精査し適切に対応したい」と述べるに留まっています。














