元に戻すだけが正解ではない?日本の修復が守る「現状維持の原則」
高柳キャスター:
修復をめぐっては、スペインでこんなこともあったそうです。

2008年、9世紀に建築されたスペインにあるマトレラ城が豪雨被害に遭い、壁が崩れ落ち、補強作業が必要になりました。
2015年に建築家が白い壁で修復しましたが、塗り固められ、形の綺麗なものになってしまい、「駐車場のようだ」「歴史的意義も文化もすべて台無し」といった批判が相次ぎました。
しかし、その翌年に世界的建築賞で最優秀賞を受賞したということなんです。
現地メディアによると、「新たな壁で建物本来の特徴を引き立てている」ことなどが受賞理由なんだそうです。
こういった事例は日本でもあります。

1836年に制作された、京都・報恩寺の本堂障壁画「群仙図」。修復後の写真では、目の部分の色が少し変わっています。住職によると、かつて「子どもが穴を開けてしまったのではないか」ということですが、今回の修復では無地の和紙で穴を塞いだだけで、上から絵を書き足すことはあえてしなかったそうです。
それはなぜなのか、泉屋博古館の学芸員・竹嶋康平さんによると、日本の文化財修理には「現状維持」の原則があり、想像で書き足さず、今の状態で後世に残すそうです。
日比麻音子キャスター:
「修復」を考えると、元々の意味や意義に立ち返るきっかけにもなりますね。














