社会的意義

シネフンギンのような核酸系抗ウイルス物質は社会的需要が高い一方で供給が限られています。本成果は、微生物を利用した発酵生産技術の高度化および社会実装に貢献することが期待されます。

田村教授は次のように述べています。

「抗生物質シネフンギンは、抗真菌、抗ウイルス、抗原虫活性など多様な病原体の増殖を抑制しつつ、哺乳類には毒性を示さない発酵産物です。

しかし、生産性が乏しく最適化した培地中でも4 ppm程度しか得られません。あるとき、適度な熱処理(44℃)や酸性ストレス(pH4)で2〜3倍に増産できることを見つけました。

環境ストレスからタンパク質を保護・修復する分子シャペロンが微生物の発酵産物の増産にも関わるという未知のメカニズムを探求し始めたのが2016年で、気づけばこの課題も10年越しの研究になっていました。微生物に学び、メカニズムを追い続けることの大切さを感じます」