研究成果

この研究では、放線菌 Streptomyces incarnatus におけるシネフンギン生産に着目し、以下の3点に取り組みました。

  • 熱ストレスおよび酸ストレスによる生産増強条件の確立

  • 新規解析手法「Dual-calibration RT-qPCR」の開発

  • 複数存在する分子シャペロン遺伝子(dnaK群およびgroE群)の発現挙動の定量解析

その結果、次の点が明らかになりました。

  • ストレス条件下で特定のパラログ遺伝子が強く誘導されること

  • 各パラログが異なるタイミングで発現し、機能分担している可能性

  • プロモータ配列の構造特性がストレス応答性に関与すること

さらに、DNAやタンパク質の立体構造予測技術を用いて、各パラログタンパク質の分子機能の違いについても考察しました。

本研究により、(1)ストレス応答と二次代謝の関係を分子レベルで理解する基盤となる新しい遺伝子発現解析方法、(2)有用天然物の生産性向上に向けた新たなシャペロニンの制御戦略、(3)核酸系抗ウイルス薬の効率的生産への応用可能性が示されました。