遺された家族がいま伝えたいこと

藤森祥平キャスター:
ご家族の皆さんは私たちの質問に一つ一つ本当に丁寧に答えてくださいました。
命が失われてしまったこともそうですし、そのご家族の思いや言葉をしっかり受け止められるように尽くしていきたいなと改めて思いました。
小川彩佳キャスター:
私もご家族とお話をすることができました。武石さんは泳ぎが得意なお子さんだったそうです。誰かの助けがあったら助かったかもしれないと無念さをにじませていらっしゃいました。
ありがとう、ごめんねがもう伝えられない。命は取り返しのつかないものだと、そうした現実に向き合った過酷な3か月だったと。
一方でご家族は、報道やSNSの情報が広がっていく中で、武石さんが活動家などと事実に基づかない言葉で語られて、人物像が一人歩きしていく苦しさにも向き合ってこられたそうです。
右とか左とか全く関係なく、どちらかに加担するつもり、どちらかを責めるつもりもない、ただ事故に真摯に向き合ってほしい。そのような言葉から、事故の真相を求めると同時に、武石さんのことを正しく真っ直ぐに受け止めてほしいと、その尊厳を懸命に守ろうとした切実な3か月だったということが伝わってまいりました。
藤森キャスター:
今回事故の現場が平和学習だったこともあって、様々な話が広がってしまったこともありますが、ご家族が強く訴えていたことの一つは、どんな学校教育の現場でも絶対安全はないんだということでした。

小説家 真山仁さん:
ずっと見ていて、未だに何が起きたかよくわからない。おそらく、わかる人すら何も言っていない。それは責任を取りたくないからではないかと思ってしまいます。
しかしご家族からすると、この3か月、自分がそばにいたら何かできたと絶対思う。だからもうこれは無念でしかない。他の人の話を聞くと怒りしかありません。
怒りや無念以上に、おそらく抗議行動のようなことを言うから余計に色々な人が話さないのでしょう。
平和学習は大事だと思います。けど今回やったことが、どこがどう平和学習なのか、これは事故じゃないですよ。もう、事件ですよ。
平和学習だと本当に胸を張っておやりになるんだったら、事故だとおっしゃるなら、きちんと何が起きて、我々は徹底して調べましたと。あり得ないことが起きたのなら、そのあり得ないことを家族の方が聞いたら、こんなことが起きるんだと、少し何かわかればそれは致し方ないと思うかもしれませんが。
ずっと3か月間何が起きたかわからなくて、どんどん非難や勝手なことを言われるというのは、たまらないだけではなく、これだけ情報がたくさん出ている世の中で、こんなことが起きていいのかと少し驚愕です。
小川キャスター:
幾重にも苦しみが押し寄せてくるわけですよね。
小説家 真山仁さん:
わからないことが一番辛いと思います。
小川キャスター:
平和学習という言葉がありましたが、その平和教育について武石さんのお姉さんはこのように綴ってくださいました。

武石さんの姉
「私たちが求めているのは平和教育をなくすことではありません。子供たちが安全に、そして偏った一方的な情報ではなく、様々な立場を知った上で自分で考えられる教育であってほしいということです」
「知華は平和を学びに行ったはずでした。それなのに命が守られない形で命を奪われて帰ってくることになってしまった。この矛盾を家族としてどうしても見過ごすことはできません」
小川キャスター:
ご家族は、とにかく子供を巻き込まないでほしい、誰も責任が取れないような環境下に子供を巻き込まないでほしい、死んでしまうという事実に真剣に向き合ってほしいとお話しされていました。
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<プロフィール>
真山仁さん
小説家 2004年「ハゲタカ」でデビュー
最新作はパンデミックを描いた「ウイルス」














