近年はエルニーニョ現象でも猛暑に 今年も?

ところが、前回エルニーニョ現象が発生した2023年夏は、冷夏ではなく全国的に記録的な猛暑となりました。全国の平均気温は平年より1.76度も高く、当時の観測史上1位の記録を更新しました。また、エルニーニョ現象とは監視海域の海面水温の平年差(監視指数)が0.5度以上の時期が半年以上続くことを指すのですが、この時のエルニーニョは、監視指数が2.0以上となり、いわゆる「スーパーエルニーニョ」と呼ばれる強いエルニーニョとなったのです。通常のエルニーニョ現象の際は、
ペルー沖の海面水温が高くなる→
太平洋の反対側のフィリピン付近の海面水温が低くなり対流活動(上昇気流)が不活発になる→
その北側の太平洋高気圧(下降気流)の張り出しが弱くなり日本付近は冷夏になる
という傾向があるのですが、2023年の夏は海面水温の高いエリアがペルー沖から西に大きく伸び、フィリピン近海も平年よりやや高くなっていたことで、通常のエルニーニョ現象とは違った効果を日本列島にもたらしたと考えられます。

2023年7月の猛暑の要因を示した図。エルニーニョ現象発生時にもかかわらずフィリピン近海の海面水温が平年より高かったことで太平洋高気圧の張り出しが強まったとされる(気象庁HPより)

そして気象庁が今年5月19日に発表した3か月予報の資料を見ると、この夏も海面水温が平年より高いエリアが北太平洋赤道域の中部(パプアニューギニアの北東)まで広がり、その北側の太平洋高気圧は平年より北への張り出しが強くなるとみられることから、日本付近は暖かい空気に覆われやすく例年以上に暑い夏になる確率が高くなっています