全国でも出没が相次いでいるクマ。栃木県宇都宮市の市街地でも目撃されていて、市民生活にも大きな影響が出ています。宇都宮市のクマは、午後3時すぎに麻酔銃を使って、1頭が捕獲されました。

これまで、クマの出没がなかった地域でも連日、目撃されるようになりました。いわき市もその1つです。

いわき市遠野町のゴルフ場「湯本スプリングスカントリークラブ」。近くでは先月、クマの目撃があり、対策を急ピッチで進めています。これまでは浜通りにはいないとされてきたクマですが、いわき市でも連日、目撃情報が相次ぐようになりました。

このゴルフ場から、20キロ以上離れたいわき市小川町では、クマが目撃されていて、9日は近くの小中学校3校が臨時休校となりました。

こうした状況ですが、ゴルフ場の利用者は…「身近ではないから、何の対策もしてません」

いわき市民にとってはなじみが薄い部分もあるクマへの対策。その一方で、ゴルフ場側は危機感を募らせています。

平山忠幸支配人「いわき市出身の方々っていうのは、どうしてもクマに対する意識がまだ薄いのかなというふうに感じている」

万が一に備え、ゴルフ場では、詳細なマニュアルを制作して、社内で共有しています。

さらに、営業が始まる前にはクマの嫌がる音を出して、出没を避ける対策を行っています。これまでにこのゴルフ場内での目撃はありません。利用者にも注意喚起をしながら、来場を呼びかけています。

平山支配人「お客様の命がありますので、重々注意してプレーしてくださいと促している」

私たちの生活に大きな影響を与えるようになったクマ。これまでなじみがなかった地域でも、懸命の対策が続いています。

一方、福島市では自治体の担当者が専門家に話を聞いて、対策を考える研修会が開かれました。

福島大学望月翔太准教授「すぐ隣にはクマがいるということを理解してもらうことがとても大事」

クマの生態に詳しい、福島大学の望月翔太准教授はこのように呼びかけて、注意点などを共有しました。

福島県内ではクマによる被害が相次いでいます。今月2日には福島市の工場や住宅地で4人がクマに襲われ、1人が重傷を負いました。

研修会では、望月准教授がパトロールの重要性を訴えました。

望月准教授「地域内をいろいろ見て周ること自体が動物にとっては圧力になる」

パトロールの際は、クマと遭遇するリスクが高まる朝と夕方は車の中から確認することなどを呼びかけました。クリやカキがある場所のほか、養蜂箱やゴミ集積所など、クマのエサがある場所は、特に注意が必要だということです。

望月准教授「動物は自分の生息範囲を拡大させたいという欲求がある。これまでは人の圧力で山奥に閉じ込められていたが、どんどん人の手がなくなって、行動範囲を広げやすい構造になっている」

このほか、研修会では、県や自治体の職員が緊急銃猟の条件や方法について改めて確認しました。