追放の理由 「規則違反」と「台湾独立の主張」
6月1日の中国外務省の記者会見で、テレビ朝日の記者がワン記者の追放について質問しました。スポークスマンは次のように答えています。
「その記者は中国に駐在した間、偽って取材をしていた確たる記録があります。『常駐外国報道機関及び外国人記者の取材に関する規則』に違反しました。中国は法律に基づき、その記者の在留許可を取り消しました」
「常駐外国報道機関及び外国人記者の取材に関する規則」についてですが、私も新聞記者として北京に計7年間駐在しましたから、その遵守を命じられ、時にそれを破ってきた一人です。簡単に言えば、「中国政府が決めたルールの中で取材活動をしなさい。違反すれば罰します」ということです。
とはいえ、中国当局の宣伝部門が監督する国営メディアのニュースをオフィスで眺めているだけでは、また当局が許可する取材をするだけでは、中国の真の姿は見えてきません。だから多くの外国人記者は、さまざまな手段で「ニュースの現場」に接近しようとします。ワン記者が追いかけた新型コロナ対策の実態、民主化問題、宗教や人権問題、貧富の格差といったテーマがまさにそれです。
中国当局が定めたルールを逸脱すると、外国人記者を管理する中国外務省から呼び出され「厳重注意」を受けます(私も経験があります)。また、新疆ウイグル自治区やチベット自治区など政治的に敏感な地域に入ると、現地の公安当局の監視を受け、追い返されたり尋問を受けたりします。
しかし、今回の退去処分には別の理由もあるようです。中国外務省のスポークスマンは、先ほどの退去理由の説明の前に、真っ先にこう述べていました。
「ニューヨーク・タイムズは『台湾独立』に関する、台湾当局のでたらめの主張を広める場を提供しました。また台湾地区を公然と『国家』と表現しました。これは台湾独立勢力に重大な誤ったメッセージを送るものであり、中国は断固として反対します」














