2030年、認知症および軽度認知障害(MCI)の患者数が1100万人を超えると予測されている日本。まさに喫緊の国民的課題となるなか、富山大学は漢方「八味地黄丸」に認知機能の悪化を遅らせる可能性を示唆。治療の新たな選択肢として研究を進めています。

軽度アルツハイマー型認知症の抑制効果

富山大学和漢診療学講座の研究グループは、これまで軽度アルツハイマー型認知症に対する探索的研究を行ってきました。

研究に用いられたのは「八味地黄丸(はちみじおうがん)」で、加齢によって出現する夜間頻尿や、足腰の冷え、疲れやすさなどの症状にアプローチする代表的な漢方薬です。

研究では、従来の標準的な治療を続けるグループと、そこに八味地黄丸を上乗せして服用するグループ、計67例を比較。

6か月後の認知機能の変化を確認したところ、全体での有意差は認められなかったものの、「女性で比較すると、八味地黄丸を上乗せして服用した患者の方が、認知機能低下の進行を抑制する可能性」が示唆されたということです。