大分空港の「宇宙港計画」を手掛けるヴァージン・オービット社は10日「イギリスでのロケット打ち上げが失敗した」と発表しました。早ければ年内を想定する「宇宙港計画」への影響は?
アメリカのヴァージン・オービット社は日本時間の10日午前、イギリスで水平型のロケット打ち上げを実施しました。オービット社によりますと、航空機からロケットを切り離す作業は成功。宇宙空間には到達したものの、システムに異常が発生し軌道に乗せることができなかったということです。
オービット社は早ければ年内にも大分空港で今回と同様の水平型での打ち上げを計画しています。
(ヴァージン オービット・ジム シンプソンCSO)「私たちは宇宙港がアジア、そして大分の宇宙産業の拠点になると信じています」
オービット社の幹部は去年5月に来県した際、イギリスでの打ち上げで得られた内容を大分でのプロジェクトに活かす考えを示しています。今回の失敗を宇宙工学に詳しい専門家はどのように捉えているのでしょうか?
(東京大学大学院工学系研究科・中須賀真一教授)「失敗は宇宙においてはつきもの。今回の失敗はロケット会社にとってはものすごく大きな知見や経験につながる。大分の計画が少し延びる可能性はあるが、これをもとにさらに良いロケットを作っていくと思うので、そういうステップが宇宙開発であると考えてもらえたら」
オービット社は原因を究明したうえで「すぐに軌道に戻るためにたゆまぬ努力を続ける」との声明を発表。一方、県は「情報収集を続け、状況を注視していく」とコメントしています。