■ 最終盤の熾烈な3位争い アンカー吉田「気持ち出せた」
岸:
的野選手は1区を走り終えたあと(その後の展開を)どう見てましたか?
的野:
初入賞してから、優勝するためには4区の“井上頼みからの脱却”というのが必要だなとチームで話していたので、その時(4区)までに、先頭に2年連続で立てたというのがチームの力がついてきたんだと安心して見られました。
岸:
それぞれがレベルアップをはかっているということですよね。
4区の井上 大仁選手から5区の山下 一貴選手。
6区の定方選手を経まして、アンカーの吉田選手には3位でタスキが渡ります。
トップとは59秒差でした。
タスキを受けたときどんな気持ちでした。
吉田:
6区の定方さんが抜いてきてくれて、富士通の潰滝さんが見える位置で来てくれたんで、絶対そこに追いつくという気持ちでスタートしました。
岸:緊張しますよね?
吉田:
緊張しました。1位を目指して進み始めたわけですね。
岸:そしてラストは熾烈な3位争いとなりました。
実況:
トップスリー。3位までの争い。
解説:
トップスリーはいわゆるメダルの表彰台ですからね、入りたいですよね。
実況:
3位争いはトヨタ自動車の服部勇馬。そして三菱重工、吉田。そしてGMOインターネットグループの渡邉!
まず三菱重工の吉田が…

岸:
ゴール少し手前なんですけれども、横1列に3人が並びます。とんでもない争いでした。吉田選手は走っててどんな気持ちでしたか?
吉田:
絶対3位に入ると言う気持ちをもってスパートしてて。その気持ちは出せたかなと思うんですけど、やっぱりトヨタ自動車の服部選手が強くて。実力で負けてしまったなと思ってます。
岸:
(3位争いで吉田選手が)一度、前にぐっと出るんですが、隣の東京オリンピックのマラソン代表、服部選手が(スパート。)さすがの走りを見せ、引き離します。吉田選手は4位でフィニッシュ。入賞です。
岸:最後どうですか?自分が(テレビ中継で)写っているのとかわかるんですか?
吉田:
いや最後はさすがに…。でも途中のラスト1キロは、何か映されているなって言うのはわかってて…。
岸:余裕ありますね?
吉田:そこは…
岸:なんか(放送車の)実況の声が覚えたんですって?
吉田:何か言われてるなと…(笑)
岸:『三菱重工 吉田スタート!』とか
吉田:っぽいことをですね。詳しくはわかんないですけど…。
■ 昨年の4位とは違う喜び
岸:
的野さん、三菱重工4位と言う結果はどう映りましたか?
的野:
昨年と同じ4位なんですけど、今年は正直、駅伝前にチーム内でも故障者が多くて、チーム状況があまり良い状態ではなかったんですけど、その中でもニューイヤーに合わせて4位入賞できたというのは、チームの力がついてきたっていうことで、優勝はできなかったんですけど、4位入賞と言う喜びはありました。
岸:
2年連続での4位ですが、また去年と違った4位と言うわけですね。吉田選手はこの4位と言う結果をどう受け止めてますか?
吉田:
今回、三菱重工マラソン部で失敗した選手は1人もいなくて、チームとして強くなったと自分も同じように思っています。
岸:
ここ7年で入賞6回です。優勝するためにどういう所レベルアップしていきますか?
的野:
チーム全体の底上げがまだまだ必要だなと。他のチームに比べると自己ベストだったり、1人で走る力だったり、ゲームチェンジャーだったりというのがまだまだ足りないなと思うので、そういうことをまた1年間、取り組んでいきたいなと思っています。
■ 吉田“初マラソン”挑戦 都道府県駅伝では中高生の手本に
岸:今年の目標を聞かせてください。

吉田:
今年の2月に延岡マラソンに初出場しますので『初マラソン、初優勝』と言う目標を掲げています。
岸:
ニューイヤーからは距離を伸ばして、新しいチャレンジに一歩踏み出すと言うことで好記録を期待しています。
吉田:ありがとうございます。
岸:的野さんは?

的野:
来週末の1月22日(日)に全国都道府県対抗駅伝──広島で行われる大会に、吉田選手と2人で出場します。中高生にたすきをつなぐので、中高生のお手本となるような走りをして、長崎の子供たちに夢を与えるような走りができたらなと思っています。
岸:
ニューイヤーを走って休みも2~3日しかなかったそうですけど、次のレースも待っていると言うことで“長崎県を代表しての走り” 激走を期待しています。
また来年もお越しください。ありがとうございました。