生計立てるためにフードデリバリーも…一人親方の訴え
全国に約50万人いるとされる建設業の一人親方にも大きな影響が及んでいる。

横浜市に住む工藤修司さん(61)。軽ワゴンに機材や資材を積み、現場に赴いて働く個人事業主だ。
主にマンションの屋上や、戸建て住宅の屋根の防水工事を専門としている。工藤さんの工事には、ナフサ由来の溶剤を原料とするウレタン防水材が必要だ。
防水工事“一人親方” 工藤修司さん(61)
「『イラン情勢の悪化に伴う製品の価格改定、及び供給に関するお願い』という形で、我々の方にはお知らせが来ています。我々の方に満足な流通(資材が)手元に届かなくなった」
さらに防水材を希釈するのに使用するのが、ナフサ由来のシンナーだ。

防水工事“一人親方” 工藤修司さん(61)
「最初に足りなくなり始めた代表格がシンナー。シンナーがないと仕事にならない。そのぐらい重要な材料。この程度だとなかなか仕事にならない。本当にこの程度の量を少しずつ使っているというのが現状」
資材が十分にないため、工藤さんは防水工事を請け負えない状況だという。

2026年2月、3月の仕事のスケジュールを見ると、2月は19日、3月は16日、防水工事が入っていたが、4月に入ると4日に激減。5月は予定も含めて6日に減っている。
このままでは生活が成り立たないと考えた工藤さん。5月21日、車から防水工事で使う機材を運び出していた。

防水工事“一人親方” 工藤修司さん(61)
「(車で)1日走り続ける。それを考えると、なるべく車の中を軽くしておいて、車の負担と燃費の方にもやさしい走り方をしたい」
ーーいま、どこに向かっているのですか?

防水工事“一人親方” 工藤修司さん(61)
「フードデリバリーの業務をきょう、これから開始していく。どうしても現実的に仕事がないと生活ができない。貯金などを圧迫していて、生活費が賄えない状況が発生してしまいました。生計を立てるため、食べていかなくてはなりませんから。この年になってフードデリバリーをやるとは思いませんでした」
フードデリバリーの仕事は5月から始めた。
防水工事“一人親方” 工藤修司さん(61)
「いまオファーが入りました。それでオファーを受けました」

牛丼店で商品をピックアップし、向かった届け先は5階建てでエレベーターのない団地だった。
ーー何階まで行った?
防水工事“一人親方” 工藤修司さん
「5階です。足で上っているということ。なかなか大変」
配達を終えると、すぐに別のオファーが届く。
ーー疲れますか?
防水工事“一人親方” 工藤修司さん(61)
「いろんな分からない場所を探していったり、精神的にも結構きついものがあって。『どこなのだろう。これ分からないよ』と10分、20分迷って右往左往したことがたくさんある。フードデリバリーの仕事は本当に大変だなと思います」

仕事開始から約10時間、日も暮れた。ライトを片手に配達先を探す。夜は建物名が見えづらく大変だという。

この日、工藤さんは朝10時から仕事を開始。終わったのは夜8時で13件配達した。1日の収入は1万751円。ガソリン代は持ち出しのため、実質1万円をきる。

防水工事“一人親方” 工藤修司さん(61)
「建築の仕事、施工してお金を稼いでいた人間。これ僕が(仕事の)腕が悪かったり、人気がなく仕事がないのであれば、僕の責任ですから納得のいく話。いまは材料が滞ってしまっているので、仕事をしたくてもできないという状況が発生している」
「これは平時の問題でしょうか。当然、死活問題です。先行き不透明な状況で、これは死活問題でなく何なのか。日本国民全員を守るのが政治の力であるなら、僕個人1人だけじゃなし、多くの日本国民がいま、ものすごく困っているということを、軽く考えてはいけないと思う」














