2025年12月に事業費の大幅な増加が明らかになった北海道新幹線の札幌延伸工事で、今回浮上した談合疑惑。2038年以降とされる開業時期にも影響が懸念されます。
20日午後、JR北海道の社長会見がありました。

JR北海道 綿貫泰之 社長
「詳細な事実関係については現時点で当社からお話できるものはありませんが、当社としては本件を大変重く受け止めています」

100パーセント出資のグループ会社が新幹線工事の入札で談合の疑いが持たれていることを陳謝しました。
疑惑の舞台は、北海道新幹線の札幌延伸工事です。

新函館北斗と札幌の間の線路などを敷く軌道工事で、10か所の工区のうち既に入札が行われた5つの工区で落札業者を調整する「談合」が行われていた疑いがあるのです。

佐藤高貴 記者
「公正取引委員会の調査員が段ボールを抱えて出てきました」

独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を受けたのは、札幌市にあるJR北海道グループの北海道軌道施設工業など工事を落札した9社です。

さらに、疑いの目は工事を発注した国の外郭団体にも向けられ、「官製談合」の可能性も出てきています。

北幸之助 記者
「2日目のきょうも、発注者の鉄道運輸機構に公正取引委員会の立ち入り検査が入っています」

談合の疑いが持たれている5つの工区の落札率は94.3パーセントから99.8パーセント。100パーセントに近いほど業者の利益が大きく、一般的に95パーセントを超えると談合の疑いが強いと言われます。

北海道 鈴木直道 知事
「札幌の延伸は道民の悲願である。30年から38年以降に延びるところをこれからも再精査していく。また、建設コストが最大1.2兆円増える。極めて重要な取り組みに影響を与える事がないようにしっかりと整理する必要がある」

新幹線の札幌延伸は2030年度の開業が予定されていましたが、トンネルの難工事などで最短でも8年遅れになりました。。

一方、最近の人手不足や工事期間の延長で計画段階で1兆6700億円だった事業費は、3兆5000億円にまで膨らんでいます。

交通政策に詳しい 青森大学 櫛引素夫 教授
「談合は別に認めるべきだということは絶対に言いませんが、今まで特に2020年代に入ってから建設業界がどういう構造的な苦境に立っているのか、そこもちゃんと目を向けないと本当に工事そのものが成り立たなくなる」

新幹線札幌延伸については、財務省が4月、費用対効果が「事業を中止すべき水準」まで落ち込んでいるとの試算を発表したばかりで、談合疑惑は、開業のさらなる遅れや事業の正当性も問われることになりそうです。














