「彫るというより、削る感じ」——鉄筆を手に、いよいよ本番
下書きが完成したら、いよいよ彫刻です。寿山石を彫るために使うのは「鉄筆」。鉛筆のような形で、先端に刃がついた道具です。

※実土里さん
「木のときは全然刃が入っていかなかったんですけど、こっちの石は刃を受け入れてくれる。彫りやすさがすごい!」
※太田秀穂さん
「もっと大胆に力を入れて。彫るというよりも、削るっていう感じ。少し線が崩れた方が味があっていい」

実土里さん、想像以上に削れてしまって思わず声を上げてしまいますが、崩れた線にも味わいがあるとのこと。
※実土里さん
「先生は、失敗しちゃったっていうことってあるんですか?」
※太田秀穂さん
「字が欠けたり、縁が欠けたりしても、欠けたところにおもしろみが出る。字を飛ばしたりするのを恐れないで。大丈夫、それも味だから」

このひと言が、実土里さんの手をぐんと軽くしたようで、黙々と彫り進めます。
途中、デザインした落款印の一部を削ってしまう場面もありましたが、太田さんに見守られながら集中すること、約50分。

※実土里さん
「よし、完成しました!」
※太田秀穂さん
「お疲れさん。よく頑張ったね!」
そして、緊張の押印タイム。

※実土里さん
「せーの、ペタッ!どうだ?」
※太田秀穂さん
「あ~いい出来だね!初めてにしては素晴らしい出来栄え。わびさびも出ている。線が欠けたり、字が欠けたりしてる。それが自然と味になる」

「やったー!」と大喜びの実土里さん。そして、この体験を通じてこんな言葉をつぶやきました。
※実土里さん
「一つ一つ手で彫ってるっていうのをお聞きして、ハンコには命が宿るんだなって思いました」

その言葉に、太田さんも目を細めます。
※太田秀穂さん
「ハンコをそういうふうにして思ってくれれば、ハンコもすごくうれしいと思う」
印鑑に命を宿らせる、職人の仕事
今回の体験で実土里さんが感じたのは楽しさだけではなく、印鑑の歴史、そして何より、職人の偉大さでした。
※実土里さん
「絵とか文字を描いた最後に、いっぱい押していきたいと思います」

実土里さんはこれからも、自らの作品の仕上げに、この日彫ったオリジナルの落款印を押したいと話していました。

青森テレビ「わっち!!」月~金曜夕方4時25分から
「シン・アオモリ」2026年5月8日(金)放送回より
※掲載しているのは放送時の情報ですので、変更となっている場合があります。
~店舗情報~
「太田印房」
【住所】弘前市和徳町212
【営業時間】8:30~18:00
(日・祝祭日 9:30~17:00)
【定休日】第2・4日曜日(5月〜10月のみ)














