このままでは八方塞がりに? 高市総理に立ちはだかる“壁”

小川彩佳キャスター:
高市総理は「万全の備えをとる」ということで補正予算案の編成を指示したわけですが、2026年度予算が成立したのが4月のことですよね。このタイミングでの補正予算というのは異例のことですよね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
まだ1か月ちょっとですから、異例中の異例だと思います。

ガソリン補助金が月3000億円くらいかかっているので予算が足りなくなるというのが表向きの理由なんですが、政権幹部に聞くと、20日に党首討論があり、そこで野党側から「補正予算組め」と言われるので、そこで組むようだと少しかっこ悪い。なので、「自分から機先を制して打ち出したんだ」という、一種の“面子”のようなものですね。

藤森祥平キャスター:
5月上旬まで総理は「この状況では補正予算を組む必要はない」とずっと話していましたが、党首討論の予定が決まったから補正予算案の編成を指示したわけですか?

星浩さん:
党首討論の要素は非常に大きいと思います。

藤森キャスター:
実際に、物価高で苦しんでいる私たちにとっては、家計の負担を考えればありがたいですが、財源はどうなるんでしょうか。

星浩さん:
まだはっきり決まっているわけではありませんが、かなりの部分は「国債」になると思います。補助金が出ると当面は心地はいいですが、長い目で見ると、国の借金が増えて、将来世代にツケを残すということになります。

自民党の中からも、萩生田幹事長代行のように、「ガソリン補助金をまったく見直しをせずに延々と続けるのはかなり無理がある」といったような声が出始めています。

小川キャスター:
持続可能ではないということですよね。

今後、高市総理に立ちはだかる“壁”はどういったところになりますか?

星浩さん:
補正予算の規模がどうなるかですね。財源をどう確保するのか。また財源を国債に頼るようですと、長期金利が上がってきます。

それから、食料品の消費税8%をゼロにすると言っていますが、これにも5兆円規模の財源がかかります。これも国債を発行するとなると、また長期金利が上がっていきますので、非常に難しい状況になります。

それから、例えば、「ガソリン代が高いから節約しよう」とか「ガソリン代が高いからEVに変えよう」などの市場原理で動いていますが、補助金をどんどん出していくとそれが効かなくなっていきます。いくらガソリン代が上がっても170円で抑えるということは経済の原則にも反してくるので、これは持続可能ではありません。

なので、そろそろ路線転換して、「節約」をどのように打ち出していくかというところがポイントになってくると思います。

それができないと行き詰まりますし、長期金利もじわじわ上がっていきますから、八方塞がりということだと思いますね。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年