3月開催の「2023ワールド・ベースボール・クラシック(以下WBC)」に向け、侍ジャパンの12選手が先行発表された。大谷翔平(28)、ダルビッシュ有(36)、鈴木誠也(28)のメジャー組3人に加え、村上宗隆(22)、佐々木朗希(21)らが名を連ねている。
発表会見後に単独インタビューに応じた栗山英樹監督(61)が、大谷選出の舞台裏や、世界一奪還への思いを語った。
喜入友浩アナウンサー:
サッカーの森保ジャパンは“新しい景色”を求めて戦いましたけれども、侍ジャパンのスローガンといいますか、何を求めて、どんなところに行きたいとお考えでしょうか?
栗山監督:
スローガンとかそういうのではなくて。世界一になる、もうそれしかないので。 日本の野球を世界一にする。次の世代に野球の面白さを感じてもらう、 野球に興味のない人にも「野球って面白いんだな」って(思えるようにする)責任が我々にはあるし、それは先輩方にずっと言われてきました。少しでも恩返しできるようにとみんなが思ってくれてる、というふうに思います。
WBC初出場となる大谷も、発表会見に出席。世界一へ、意気込んでいる。
大谷選手(会見にて)
「素晴らしい選手が集まってくれているので、優勝だけを目指して頑張りたいなと思います。野球を始めてから今日まで、1位以外を目指したことはないので。そういう意味では負けていいと思ったこともないですし、目標の一つである大会で勝ちたいと思うのは自然な流れかなというのが率直なところかなと思います」
喜入アナウンサー:
大谷選手にはWBCをどんな大会にしてほしいですか。
栗山監督:
なんで二刀流をやってたのかっていうのはチームを勝たせるためなんだと。それを証明するチャンスなんで。日本を勝たせろっていうね、そういう思いはジャパンの監督じゃなくて個人的な思いかもしれないですけど。
喜入アナ:
大谷選手をチームに呼ぶときに一番伝えた思いというのはどんな思いですか。
栗山監督:
翔平とは実はあまりその話をしてないんですよね。もうどっかわかり合ってるっていうか。おととし監督に就任して 帰ってきて本当に長く食事をしながらいろんな話をしましたけど、一言もWBCの話しをしないっていう。 そういう僕が考えていることを彼は察知するので、それに対して自分の判断をちゃんとするって思っていた。
記者(会見)
「大谷選手が栗山監督から選手愛を感じたことがあるシーンっていうのは?」
大谷選手(会見)
「あんまり感じたことはないですけども。・・・冗談ですけど(笑)本当に1人ひとりの選手と対話する監督だと思うので、あまり一緒にプレーしたことがない選手も数日でお互いを知ることができるんじゃないかなと思いますし、集まる選手は何の不安もなくプレーできるんじゃないかなと思います」
喜入アナウンサー:
本当に色々なスターが集まるチームですけれども、 キャプテンについてはどうお考えですか。
栗山監督:
源田(壮亮)選手たちとか11月にジャパンを経験した選手たち、 若い選手とか色々みんなと話したんですよ。 キャプテンは必要かな、っていう。 そうしたら意外と 「監督、 我々やるべき仕事わかってるし言いたいことは ちゃんと言いますんで、 別にキャプテン置かなくても」 っていう話を、 選手たちは言ってくれてるので、ちょっとまだ考えてないです。 メンバー30人を決めた後に、本当に必要かどうか考えます。
2006年、2009年大会は優勝を果たしたがその後2大会は準決勝敗退の侍ジャパン。
喜入アナウンサー:
「世界一」という目標、それは自信の表れなのか、それとも言い聞かせているのか、不安もあるのか、どんな世界一を今描いてますか。
栗山監督:
正直言えば全てなのかもしれないですけど「世界一になる」って決めなければ世界にはならないんで。僕は今の日本の野球のピッチャーのレベルを考えたら、 本当にやり方によってはチャンスがあると本当に思ってる。 あのアメリカのメンバーに勝たないと意味がないので、 僕は日本の野球を誇りに思ってるし、だからこそ勝ちたいっていうだけですね。
【取材を終えて】
喜入アナ:
栗山監督にWBCを戦う上で大事にしたいことを色紙に書いていただきました。「尽己」こちらは「じんこ」と読むんですが「自分の全てを尽くす」という意味です。栗山監督は迷わずこの言葉を書かれたので、ずっと大事にしている言葉なんだと思います。

















