築320年を超す長野県大町市の古民家で、江戸時代から続く伝統行事、「巻き俵(わら)」が行われました。

「巻き俵」が行われたのは、江戸時代の前期に建てられた国の重要文化財・大町市美麻(みあさ)の旧(きゅう)中村家住宅。

神棚の前に2本吊られているのが長さ1メールを超す「巻き俵」です。

梁(はり)から降ろされた巻き俵に市民2人が地元でとれた新しい「わら」をあてがい、麻縄(あさなわ)で巻き上げていきました。

「巻き俵」は家内安全や五穀豊穣を願って300年以上受け継がれてきた伝統の縁起物で、芯に近い部分の黒ずみが重ねた年月を物語っています。

(北沢孝一さん)「健康で平穏な一年でありますように、そんな気持ちを込めてますね」

大人が両腕で抱えるほどの太さに仕上がった巻き俵には、宝船などの縁起物が飾りつけられ、再び、神棚の前に吊り下げられました。

(市川尊典さん)「去年は国の内外でいろいろなことがありましたが、今年はコロナが収まって皆さんの笑顔が見えることを祈りながら作りました」

「巻き俵」行事は大町市の美麻地区など、北安曇の一部の地域で行われていましたが、現在はほとんど途絶えてしまったということです。