今日5日はこどもの日です。生まれたばかりの赤ちゃんに、北海道の木で作ったベビーチェアをプレゼントする「君の椅子」の取り組みが、2026年で20年を迎えました。

初めて椅子を受け取った赤ちゃんは、2026年で20歳に。カメラが見つめた家族と椅子の成長記録です。

それは、生まれて初めてのバースデープレゼントです。

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赤ちゃんに贈られたのは、北海道産の木で作られたベビーチェア「君の椅子」です。生まれたばかりの赤ちゃんたち、座れるかな?

小塚紡実ちゃんの母・まどかさん
「テレビに映るかもよ~。いや~泣くのかい。かわいく素敵に育ってほしい」

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鈴木周ちゃんの父・鈴木正人さん
「かっこいいと思う。この子の成長と一緒に、椅子も成長できたらいい」

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椅子には、赤ちゃんの名前と誕生日、ふるさとのマチの名前が刻まれています。

"生まれてきてくれてありがとう"

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赤ちゃんへの感謝が込められています。

「君の椅子」は2026年で20年。取り組みの輪は、全国13のマチにも広がっています。

20年前、最初に椅子を受け取った赤ちゃんは…

東川町生まれ 湯佐海月さん(20歳)
「これからも長い社会人生活を頑張っていきます」

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2026年に20歳に。ともに過ごした「君の椅子」も20歳になりました。大人になった赤ちゃんたち、座れるかな?

東川町 菅原惟月さん
「大丈夫かな。壊れないかな… (座り心地は?)フィットしています。この椅子を見ると小さいころを思い出す20年経ったんだな、このマチで育ってきたんだなとしみじみと感じた」

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東川町生まれ 竹内汐織さん
「(どう座り心地は?)いつも靴を履くときに使っています。(えっ?使ってるの?)使っています。これから生きていく間、何があるか分からない」

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「ですけど『自分の居場所』を作ってくれた人がいることを忘れないでいたい」

石戸谷琉翔ちゃん(0歳)
「(よかったね)ああー(よかったね)ああー」

石戸谷琉翔さん(20歳)
「座り心地…ギリギリ座れます。いっぱい落書きして遊んだ思い出がある」

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石戸谷琉翔さんは、札幌の大学に通っています。

「君の椅子」は東川町の実家にあり、座ることはありませんが、帰省して傷や落書きだらけの椅子を見るたび、幼いときのことを思い出します。

石戸谷琉翔くん(当時5歳)
「きつい!座り心地、ここがちっちゃい、前は、ちょっきりだった」

母・石戸谷麻生さん
「ちょっきり!懐かしい…。全然覚えてない。必死に子育てしていたので」

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母の麻生さんです。3人の息子の子育てに無我夢中の20年でした。

母・石戸谷麻生さん
「毎日見ていて、『君の椅子』が息子の居場所と感じていたわけではないが、子どもの頑張りで私も頑張れた」

遊ぶときも、ごはんを食べるときも「君の椅子」は、子どもたちに寄り添いました。

母・石戸谷麻生さん
「ぴったり!」

麻生さんは、息子の巣立ちを機に、自宅で生花店を始めました。琉翔さんの「君の椅子」も一緒です。

来店客
「いいじゃんこれ!」

母・石戸谷麻生さん
「この椅子3つ置いてあったら、きっとすごく思い出すだろうし、私もここで頑張っているし、子どもたちも遠く離れて頑張っているし。距離はすごく遠くなるけど思っている思いはずっとここにあるよ」

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琉翔さんは、照れながらも、母親に感謝を伝えます。

東川町生まれ 石戸谷琉翔さん
「どこまでも自分たちのことを第一に考えてくれる。そういう思いがあるんだなと感じる。自分にとっては貴重な思い出の1個です」

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「君の椅子」は家族。母親思いのやさしい青年です。

松本雅裕記者
「君の椅子は東日本大震災が起きた2011年3月11日に岩手・宮城・福島の3県で生まれた104人の赤ちゃんにも贈られました」

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震災に負けずに生まれた、新しい命を祝福したい。北海道上川地方の3つのマチと、旭川家具の職人らが「希望の君の椅子」を贈りました。

宮城県に住む、阿部一花さんです。15年前に贈られた椅子を、今も大切にしています。この春、高校生になった赤ちゃん、座れるかな?

宮城・七ヶ浜町生まれ 阿部一花さん
「ちょうどよくて本当に座りやすい。座ってテレビ見たり、モカ(犬)と遊んだり」

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5歳の妹、七海ちゃんが「踏み台」に使うことも多くなり、椅子は、傷や落書きでいっぱいです。

父・阿部剛さん
「犬にかじられた痕…ショックだったよね」
母・香紀さん
「幼稚園ぐらいまではお絵描きや描いたり塗ったりが好きだったので、無事に成長してよかった」

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一花さんを出産した4時間後、地震が襲いました。ライフラインが断たれた産院から、車に逃げ込み、雪が降る厳しい寒さの中、わが子を抱いて温めました。

一花さんの命は守られたものの、多くの命が失われた日。

幸せであるはずの、わが子の誕生を、喜ぶことができずにいた家族のもとに届いたのが、北海道から来た「君の椅子」でした。つかまり立ちをしたときも、遊ぶときも。

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一花さんに寄り添い、家族に溶け込みました。

母・香紀さん
「誕生日をあまり人前で『3月11日』と言いづらかったのだが『この子の居場所はここにあるよ』とメッセージを込めた椅子を贈られたので、この子の誕生日を素直に祝っていいんだなと思わせてくれた」

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遊ぶ妹の七海ちゃんと一花さん
「あっちむいてホイ!ああっ!」

15歳の一花さん、北海道の人が贈ってくれた「君の椅子」に込められた思いが、少しずつ分かるようになりました。

宮城県七ヶ浜町生まれ 阿部一花さん
「本当に小さい頃からあって、ずっと座って、知らない人からだけど、すごくありがたいしこれからも大切に使っていきたい」

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壁にぶつかったときも、心が折れそうなときも、いつでも迎えてくれる「君の椅子」は、これからも人生に寄り添い続けます。