「エゴマを食べると寿命が10年延びる」——そんな言い伝えが残るほど、エゴマと深いつながりを持つ福島県田村市。阿武隈高原の自然に育まれたこの街には、こだわりのラーメン屋さんや、地元食材をふんだんに使ったスイーツ、さらには思わず笑ってしまうような「謎の石」まで、個性豊かな魅力がぎゅっと詰まっています。

~地鶏スープがじんわりうまい~田村市のラーメン事情がアツい

船引駅から車で5分ほどの場所にある「麺やえねる」は、福島三大ブランド鶏——会津地鶏、川俣シャモ、伊達鶏——をスープに使うという、なんとも贅沢なお店。看板メニューの「特製地鶏生正油らぁ麺」は、しょうゆの香りと鶏のコクが見事に調和したスープに、細麺を合わせた一杯です。スープのうまみをダイレクトに感じられるよう麺を細くしているというこだわりが、すでにグッときます。

そしてもう一品、見逃せないのが「船引式担々麺」。田村市の特産品であるエゴマをパウダー状にして麺に練り込み、スープにはエゴマのペーストを合わせ、トッピングには焙煎エゴマをのせるという、エゴマ三段活用の一杯です。

エゴマって、こんなに奥が深かったのか

田村市がエゴマの名産地として知られるようになったのは、健康長寿のまちづくりを掲げた当時の町長の呼びかけがきっかけだそう。「食べると寿命が10年延びる」という言い伝えから「じゅうねん」とも呼ばれるエゴマは、シソ科の植物で、黒種と白種の2種類が田村市で栽培されています。

まず定番なのが生搾りのエゴマ油。爽やかでクセがなく、トーストに海苔としょうゆと一緒に合わせて食べるのがおすすめとのこと。シンプルなのに、じんわりと後を引くおいしさが想像できます。

そしてぜひ知っておきたいのが「せいもち」という郷土料理です。炒ったエゴマの実をすりつぶし、木綿豆腐を加えてさらにすり混ぜ、エゴマ油で炒めてタレを作り、つきたてのお餅に絡める——という工程を経て完成します。

また、観光名所としても名高い鍾乳洞「あぶくま洞」を訪れたついでに、併設の「レストランあぶくま」に立ち寄るのもおすすめ。エゴマと味噌を合わせたタレでうどんを食べる「エゴマの冷たれうどん」や、エゴマキャラメルのアイスを使ったフレンチトーストも味わえます。

さらに、田村市の滝根町にある「福福堂」では、沖縄の郷土料理・豚味噌と田村市のエゴマを掛け合わせた「エゴマ豚味噌」というオリジナル商品を販売しています。エゴマの粒とパウダーが両方入っており、プチプチした食感とコクのある甘辛さが特徴。ご飯にのせてもよし、ナスの炒め煮に使ってもよし、と使い勝手のよさも魅力です。

笑える、でも実はすごい。「謎の石」のある風景

グルメだけじゃないのが田村市のおもしろいところ。思わず二度見してしまうような「謎の石」が存在します。

その一つが「亀石」と呼ばれる巨大な岩で、重さはおよそ2,800トンとも言われています。昔々、日照りが続いたこの地に神様が水をもたらし、長寿のシンボルである亀の姿になったと伝えられています。長寿の象徴として地域の人々に大切にされてきたこの石、なんとも味わい深い存在です。

そして船引地区にある造園会社「庭泉」のモデル庭園も、一見の価値があります。庭泉は「今までにないものを」をモットーに個性的な庭を手がけてきたお店で、そのショールーム代わりに作られた庭には、ユニークな石の作品がずらりと並んでいます。

中でも庭泉・小泉さんのお気に入りという「石あかり」は、石を隙間を残しながら積み上げることで、夜になると柔らかな光が漏れ出すという作品。

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ラーメン、エゴマ料理、謎の石——それぞれがバラバラなようでいて、どこか「田村市らしさ」でつながっているような感覚があります。地元の食材にこだわるお店、地域の伝説を背負った石、地元愛あふれる造園家。訪れた人が思わずその魅力を語りたくなる、そんな街です。

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