活動史には「吸収合併」と表記

私たちは今回、新谷氏の親族と接触することができた。

音声のみを条件に取材に応じ、新谷氏に対する旧統一教会からの献金要求の実態を証言した。

新谷静江氏の親族
「文鮮明氏“直”ですよ、文鮮明氏から直に(新谷氏に)電話が来るようになったから」

記者
「日本語でしゃべる?」

新谷静江氏の親族
「結構しゃべります。上手なものですよ。アメリカに渡って事業を大きくしようと思っているから、もうなんせ金・金・金なんだ、もう明けても暮れても。新聞社もやっていたんだよ。“人件費を払えないから金をくれ”。“インク代が払えないから金をくれ”。“紙代がないから金をくれ”。こうやってきたよ、要求が。もうひどい時になったら、毎日のようだね」

記者
「静江さんはどんな反応をしていた?」

新谷静江氏の親族
「簡単に言えば『また来たか』という感じだね」

新谷氏の陳述書にも「文鮮明氏はアメリカからでも直接、自宅に電話をかけてきた」とする記述があった。

親族によると、新谷氏は文鮮明氏から電話がくるたび全国の道場に、信者から献金を集めるようにと、渋々、指示を出していたという。

新谷静江氏の親族
「韓国の口座に入れるわけさ、直接。“ここの口座に振り込みなさい”って番号まで全部教えてもらっていたから。文鮮明氏の言うことは“絶対”だからさ」

旧統一教会側は、天地正教との関係をどう捉えていたのか。

2007年以降に、神奈川県の一部地域で信者に配られていた活動史(横浜西教会年表)には…

活動史
「1999年 天地正教、統一教会と和合宣言(3月)事実上、統一教会に吸収合併となる」

明確に「吸収合併」との表現が使われていたのだ。

この活動史を入手したのは、旧統一教会の献金被害をめぐる集団訴訟で、原告の代理人を務めていた郷路征記弁護士だ。

原告の中には、天地正教から移った元信者も含まれ、裁判では「天地正教時代の献金被害」について、旧統一教会に賠償責任があるかが争点の一つとなった。

札幌地裁は2012年の判決で、郷路弁護士が入手した活動史などを根拠に、旧統一教会と天地正教の間に「指揮命令関係があった」と認定し、旧統一教会に賠償を命じた。

郷路征記弁護士
「天地正教に支払ったとされる金銭について、それは旧統一教会が賠償する責任があると、判決では認められている。『旧統一教会に吸収合併された』っていうのは正しいだろう」

裁判所から「指揮命令関係があった」と認定された団体への財産移転に、問題はないのか?

旧統一教会は去年10月の取材に対し...

旧統一教会の回答
「天地正教を指揮命令する関係にあったという事実はありません。当法人が残余財産の帰属先として天地正教を指定したことは事実ですが、宗教法人法に則って、正当な手続きを行ったに過ぎません」

また、札幌地裁の判決については、「不適切な証拠に基づいて下された誤った判決」とした。

宗教法人を所管する文化庁は両教団について「法的にはあくまで別の団体」としている。

そのうえで仮に、天地正教に財産を移転する決議が今も有効であるならば、清算完了後に残る財産は天地正教に移ることになる、とした。

一方、天地正教の認識はどうなのか?今年2月に新たに就任した、現在の代表を直撃した。