土砂災害の「警報」出たら「危険警報」も出る可能性高い

ここまで、河川に関する情報の変更ポイントを見てきました。それから、土砂災害に関する情報は発表のタイミングが変わります。気象庁によると、これまでは大雨警報(土砂災害)(=警戒レベル3相当)を発表しても、土砂災害警戒情報(=警戒レベル4相当)の基準に到達しない「空振り」の事例が多かったということです。気象庁によると、2023年6月~9月に全国で警戒レベル3相当が出された2577回のうち、そのあと警戒レベル4相当が出されたのは1229回で、半分以上の1348回が「空振り」でした。

このため、新たなレベル3土砂災害警報は、「レベル4土砂災害危険警報の発表が見込まれる場合」に、その基準に達する見込み時刻から概ね3時間前に発表する(4~6時間後に基準に達する見込みの際にも発表)という運用となります。このため、レベル3土砂災害警報は、数時間後に警戒レベル4の避難指示が出される目安だと考えることができます。これは大事なポイントです。なお、雨が急激に強まった場合は、レベル2土砂災害注意報からレベル4土砂災害危険警報に一気に引き上げられることもあり得ます。気象庁が2023年6月~9月の事例でシミュレーションしたところ、レベル3土砂災害警報どまりの「空振り」は280回と少なくなった一方、レベル3土砂災害警報→レベル4土砂災害危険警報となったのは446回で、"レベル3"を経ずに一気に"レベル4"になったのが885回もあったということです。このシミュレーションでは、"レベル4"の基準に3時間後に達する見込みの時だけ"レベル3"を発表することにしていて、実際の運用では4~6時間後に達する見込みの時も"レベル3"を出すことから「一気に"レベル4"」になる割合はもう少し減るとはみられます。ただいずれにしても、レベル3相当情報の意味合いが現行より「レベル4相当情報に近くなる」ことに注意が必要です。

現行と新方式での土砂災害に関するレベル3相当情報とレベル4相当情報の発表回数比較。新方式ではレベル4の1331回のうち約3分の2の885回は、レベル3を経ずに出されるものだという(国交省・気象庁「土砂災害に関する情報の改善」資料より引用)

この記事では、体系整理された新たな防災気象情報について、発表タイミング等の変更点を解説しました。次回の記事では、これらと合わせ5月末から発表が始まる線状降水帯直前予測情報などについて説明します。