青森県八戸市の市川地区では、冬のこの時期に完熟する「八戸いちご」の収穫作業が進んでいます。ただ、昨今の物価上昇で生産者は苦境に立たされています。


八戸苺生産組合の木村武美組合長の農業用ハウスでは、現在、収穫作業が進んでいて、イチゴの甘い香りに包まれています。
真っ赤に色づいた円錐形のイチゴは、「さちのか」という冬の品種で、日中と夜間の寒暖差により糖度が高いのが特徴です。

※小林憲治記者
「甘い!甘みの中にちょっとした酸味があってバランスが抜群です」

八戸市の市川地区では、1950年代からイチゴの栽培が盛んになり、今や青森県内最大の産地として知られています。ただ、八戸苺生産組合では、2012年に52人いた生産者が30人まで減少し、後継者不足に悩まされています。加えて、1パック500円ほどの卸価格は変わらないものの昨今の物価上昇で、生産コストが2割近く上がっているため、厳しい経営が続いていると言います。

※八戸苺生産組合 木村武美組合長
「資材、肥料そのへんはすごく大変です。でも地元のイチゴというのは絶やしたくありませんので、そのへんをクリアにしながら、がんばっています」

こうした課題解決に向け、組合は市などと連携し「八戸いちご」を使ったスイーツの開発などに取り組み、消費拡大に努めています。「八戸いちご」の収穫は6月ごろまで行なわれ、青森県内3か所の青果市場に出荷されます。