全日空の整備士が整備のミスに気づきながら虚偽の整備記録を作成するなど、整備業務で2件の不適切行為が確認されたとして、国土交通省は全日空に対し業務改善勧告を出しました。

国土交通省と全日空によりますと、去年11月、伊丹空港で整備士が社内規定で使用が禁止されているブレーキ油を航空機に補充してしまったということです。整備士はミスに気づきながらも、整備記録には事実と異なる記録を残しました。

さらに後日、この航空機が伊丹空港に駐機している際に、同僚に依頼して正しい油に入れ替えてもらいましたが、この際の整備記録は作らなかったということです。

誤って補充された油はメーカーでは使用が認められているもので、運航に影響はありませんでした。

また、同じ11月に成田空港では整備士が貨物機の貨物を固定するレールが摩耗していることを見つけましたが、「摩耗は軽微で処置は必要ない」と判断して運航を続けました。しかし、改めて点検したところ、修理が必要だったことがわかったということです。

この事案でもメーカーに確認したところ、安全性に問題はなかったということです。

この2つの事案を受け、国土交通省は14日、航空法で認可を受けた業務規定に違反したなどとして、全日空に対し業務改善勧告の行政指導を行いました。

全日空はおととしにも整備の不適切行為が発覚して、厳重注意の行政指導を受け、対策を講じているところでした。

今回の事案をうけ、国交省は全日空について「再発防止にかかる安全管理システムが機能していない」と指摘しました。そのうえで、来月15日までに再発防止策を報告するよう全日空に求めました。

全日空は「本事象について大変重く受け止めております。業務改善勧告を受けるに至ったことを真摯に受け止め、このような事象を引き起こさないよう再発防止策を徹底してまいります」とコメントしています。