政府「直ちに問題はない」とするも… 専門家は「5月まで続けば世界的なナフサの取り合いが激しくなる」

ナフサは約4割を国内で精製してきましたが、原料となる原油は9割以上を中東から得ています。さらに精製されたナフサの輸入も、3分の2以上が中東からなので、ナフサの実質的な中東依存度は8割とされています。

そして、中東以外の輸入先として半分ほどを占めていたのが韓国ですが、この情勢を受けてナフサの輸出を禁止しています。

調達先の拡大を迫られるなか、経産省によると4月、アメリカやペルーといった国からの輸入をひろげ、中東以外からの調達が倍増する見通しです。

ナフサそのものだけではなく、加工された製品も輸入に頼るものが少なくありません。

例えば、ペットボトルの原料であるペット樹脂は、ほとんどをタイなどから輸入しています。医療現場や家庭などで幅広く使われる合成ゴムの手袋も、ほとんどをマレーシアなどからの輸入に依存しています。

今後、ナフサの安定供給は保たれていくのでしょうか。

政府は、中東以外からの輸入を増やすことなどによって約2か月分を確保でき、さらに民間企業が、ナフサから作られるポリエチレンなどの製品の在庫を2か月分保有しているため「直ちに問題はない」としています。

一方で今、国内で精製されたナフサの価格は、平時の倍近くに急騰する見通しです。

石油化学コンサルタントの柳本浩希さんは「すぐに石油化学製品の在庫が切れることは想定しづらいが、ホルムズ海峡の封鎖が5月以降も続いた場合、世界的なナフサの取り合いが激しくなる。

最低限の需要に必要な量を確保できたとしても、石油化学製品の値段も30%〜2倍の上昇は免れない。食品容器や医療資材、自動車や家電の部品、農業の肥料などが不足する可能性がある」と指摘しています。