■2023年のヒット商品は「R・ECONOMY」?
2023年はどんな商品がヒットするのか。中村氏にキーワードをあげてもらった。

日本経済新聞社 中村直文氏:
「R・ECONOMY(レコノミー)」としました。ECONOMYは経済ですが、「RE」はリサイクル、リユースやレトロという部分です。古着などは例えば東京の下北沢は活況ですよね。レトロはもう当たり前です。映画もそうですし、今風にアレンジしてそれが新しい商品として若い人にも我々にも刺さるということです。リスキリングもそうです。新しい人を捕まえていくというよりも自社で鍛えていくと。そういう消費が広がっていくだろうと予想しています。新しい新陳代謝でどんどん進んでいくような型ではなく、うまく使っていくという環境にも優しい経済という意味も込めています。
――今はまだリベンジ消費がある一方で、物価高もあるし賃金がどれだけ上がるかもわからないし、景気失速の恐れもある。
日本経済新聞社 中村直文氏:
来年も引き続き物価は高いと思われますので、メリハリで安いものは安く、いいものにはどんどんお金を出していくという別れた形で2023年は進んでいくのではないかと予想しています。
――消費社会全体としてはかつてのようなメガヒットというのが生まれにくい時代になっている。
日本経済新聞社 中村直文氏:
一つ作るとたくさん売れるというのは夢みたいな話ですよね。人が多様化している、デジタル化というところで言うと、企業もより細かい対応がいるわけです。コストはかかるし売り上げは伸びないというところで、新しくどういう形をとっていくかというところも問われてくると思います。
――改めて今年の番付を見ると、横綱は「#3年ぶり」と「タイパ&コスパ」で、モノではなく「コンセプト」だ。
日本経済新聞社 中村直文氏:
モノではヒットが出せなくなったということです。体験や時間的要素など、人々の新しい生活スタイルや価値観を考えていかなければいけないのではないかと思います。そこを先回りして新しいものを作っていく、サービスを用意していくという企業努力が大事になると思います。
(BS-TBS『Bizスクエア』 12月24日放送より)