奈良市で去年4月、「帝塚山学園」のグラウンドに雷が落ち、サッカー部の中学生と高校生の男女6人が病院に搬送された事故について、学園が今月30日、調査結果を公表しました。

 学園の落雷事故調査委員会は、別のクラブが事故前に雷鳴を感知して部活動を切り上げていたことを踏まえ、「落雷の予兆が全くなかったとは言えない」としたうえで、「事故以前に落雷事故防止を目的とした研修を学校で行っていれば、今回の事故を防止できた可能性を否定できない」と結論づけました。

 奈良市の帝塚山学園では去年4月10日午後6時前、グラウンドに雷が落ち、サッカー部の中学生と高校生の男女6人が病院に搬送されました。男子中学生1人(15)は今も意識不明の重体です。

 調査委員会は事故の防止と被害の拡大防止するための提言として、まず、教職員全員に「雷ナウキャスト」など雷についての情報を入手・解釈する方法について教育するとともに、生徒にも教職員に準じた水準で雷に関する知識を習得させるべきとしました。

  また、校内に雷検知器を設置したり、校外でのすべての屋外活動に携帯式の雷検知器を携行したりして、客観的に落雷の危険性の把握に努めるべきで、グラウンドには可能な限り避雷針などを設置することを検討するべきであるとも提言しました。

 さらに救急救命能力の向上のため、今回事故が起きたグラウンドには、電気ショックで心拍を正常に戻す機器「AED」が1台しか設置されていなかったことから、設置を複数台に増やし、AEDを用いた救命救急の実技講習を教職員だけでなく、生徒にも定期的に実施すべきであると提言しました。