大阪市は3月27日、福祉事業会社「絆ホールディングス」グループの4つの就労継続支援A型事業所に対し、指定取り消し処分を下しました。

「就労移行支援体制加算」の制度の趣旨に反し、昨年度以降の約2年間で約150億円を不正に受け取ったということです。

「絆ホールディングス」傘下の就労継続支援A型事業所をめぐっては、障害がある人が一般企業などに就職した際に、国や自治体から給付金の加算が支払われる制度を悪用した疑いで大阪市が監査を行っていました。

「A型事業所」は、障害などがある一般企業での就労が難しい人と、「雇用契約」を結んで支援をしながら就労機会を提供し、国や自治体から給付金を受け取りますが、なぜこれほど高額な不正請求が可能だったのか。

そこには「就労移行支援体制加算」と呼ばれる加算制度が関係しています。

「就労移行支援体制加算」とは、障害がある人がA型事業所でスキルアップし、一般企業に就職して6カ月間定着した場合、その人数に応じ就労支援の成果を評価。事業所が翌年度に給付金の加算がもらえる仕組みのことです。

大阪市や関係者によると、絆グループの4つの事業所では「36ヶ月プロジェクト」と称して制度を悪用し、障害がある「利用者」を、同じ事業所で半年以上「スタッフ」として雇用することで、就労定着者として給付金の加算条件を達成。

その後いったん「利用者」に戻し、再びスタッフとして雇用するということを繰り返し、加算金を「積み増し」していました。

グループの各事業所では、それぞれ約100人~約250人が1年間に一般就労したとして申請されていましたが、大阪市は「定着に向けた継続的な支援体制が構築されているとは評価できない」として、不正請求にあたると判断したということです。

給付金は利用者が住む市町村ごとに請求される制度で、4つの事業所が昨年度以降のおよそ2年間に不正請求した金額は、大阪市に対して約79億円、その他の75自治体に対して約71億円、あわせて約150億円にのぼるということです。

大阪市は今後、約79億円にペナルティーを加えた約110億円を返還請求するということです。

絆ホールディングスは3月26日、MBSの取材に対し「今後、開示すべき事項を決定した場合は、速やかに公表させて頂きます」と回答しています。