卓越風をご存知でしょうか。
日々刻々と風の向きは変わりますが、実はその土地、その土地によって多く吹く風向きがあります。これが「卓越風」と呼ばれていてその向きが鳥取県米子市はちょっと風変わりなんです。
その意外な利用方法について専門家に聞いてみました。
国立公園・大山を望む米子市内です。
煙突から立ち上る煙が画面左へと流れています。南風です。
気象庁OBで気象防災アドバイザーの
近藤豊さんに聞いてみると。
入江直樹 記者
「近藤さん、僕、通勤で毎朝米子市内を通って来るんですけど、南風が多いように思うんですが、でもすごく寒いですよね」
気象防災アドバイザー 近藤豊さん
「まず南風がなぜ多いかというのはですね、地形独特の風が吹くんです。米子っていうのは南に大山、日野川が流れて、ずっと日本海に行く。こういう地形で、要するに冷たい空気が、風がずうっと日野川沿いに降りて来る」
2015年から去年までの11年間、132か月分の観測データから月ごとに最も多かった風向を数えると米子は、南と南南西と南南東が計106月で全体の80%でした。
ところが隣の松江と境港市の境では西及び西南西とその反対の東、東北東がそれぞれ99%と50%を占め、南寄りの風が多い月はゼロ。
米子は特異的に南風が多いですが、といって温暖なわけはなく、高い山と大きな川がある地形ならではの限定的現象とのこと。
実際、15キロほど離れた米子鬼太郎空港に来てみると。
気象防災アドバイザー 近藤豊さん
「空港の滑走路の向きを見ると非常によく分かるんですね」
自衛隊機や旅客機などが頻繁に離着陸する滑走路は、ほぼ東西方向に向いています。
気象防災アドバイザー 近藤豊さん
「中国山地と島根半島の間を宍道湖から中海を抜ける風が、ずうっと美保湾に抜けている」
飛行機は風上に向けて離陸し、着陸します。中国山地と島根半島という2つの壁に挟まれた回廊のような地形で東西方向の風が吹きやすく、出雲市内の出雲縁結び空港も滑走路は全く同じ方向です。
そんな卓越風を意識するメリットは市民にも何かありますか?
気象防災アドバイザー 近藤豊さん
「例えば家の建て方ですよね。窓とか玄関、要するに風が抜ける方を東西に向ければ風は抜けるわけですよね。北とか南は壁でふさいでしまえば風は冷たい風は入って来ません。家の向きなんかでも考えられることが多いと思います」
風通しを考えて窓を開け閉めするなど、工夫することで冷暖房費の節約にもなり、卓越風が家計を助けてくれるかも知れません。














