争点④坂本被告が犯行当時、責任能力を有したと認められるか 裁判所の判断
医師による精神鑑定によれば、坂本被告は犯行当時、軽度の知的発達症(知的障害)と、軽度の酩酊状態が重なった状態であった。
その特性ゆえに熟考したり計画性を持って行動したりすることが不得手であり、身勝手で衝動的な欲求の表現をしやすく、軽度酩酊による抑制力の低下が加わり、衝動的に本件犯行に至ったとされた。
福岡地裁は精神鑑定について
「十分信用できる」
と認めた。
その上で、関係証拠により認められる事実関係を前提として以下のとおり検討した。
・坂本被告が午前6時25分頃の住宅街という相応の明るさと人通りがある時間帯、場所において、75歳の女性を押し倒し、いきなり下腹部に指を挿入するという本件犯行に及び、75歳の女性から悲鳴を上げられた上、駆けつけた男性から「ここで何しよっとか」「警察呼ぶぞ」などと声をかけられたにもかかわらず、直ちに犯行をやめなかったこと
この点について、福岡地裁は
「坂本被告が、主として性的欲求に基づき、知的発達症の特性と飲酒の影響が相まって、衝動的に本件犯行に及んだことは否定し難い」
と認定した一方
「坂本被告の知的発達症は軽度であって、坂本被告は2023年6月に最終刑を出所してからから本件犯行に至るまでの約1年間は、まがりなりにも一人暮らしを維持することができていたというのであるから、その間、知的発達症による衝動性が坂本被告の行動に必ずしも大きな影響を与えていたとはいえない」
と指摘した。














