様々なシミュレーションの結果、地上7~8キロ付近の高度に24キロ四方のエリアで散布した場合に最も効果が大きく、豪雨域の3時間雨量が平均11.5パーセント、最大32パーセント減少したことが分かりました。

(a)クラウドシーディングなしと(b)クラウドシーディングありでの3時間積算降雨量を比較すると、(c)では最も豪雨が激しかったエリアの降雨量が減少し(青色)、その北側では降雨量がやや増えている(赤色)ことが分かる。(d)は地上7~8キロ付近の高度(横長の長方形の場所)にクラウドシーディングを行った結果、赤い部分で雲中に小さな氷の粒が数多く発生したことを示している。(d)の長方形の場所は(c)の点線枠に対応。(画像は東北大学のプレスリリースより引用)

今回のシミュレーションでクラウドシーディングした量は、ドライアイスに換算すると3トンほどだということで、小型ビジネスジェットの積載能力に収まる規模であることが確認されました。一方で、「雲の種」の保管・輸送方法など技術的課題はまだ多く、そもそも線状降水帯をもたらすような活発な積乱雲の周辺を、ジェット機で危険なく飛べるのかという懸念があります。平賀助教らの研究グループでは今後、こうした課題の解決策について検討しつつ、別の線状降水帯を対象とした検証なども進めてゆき、将来的には気象を「制御する」技術を確立したいとしています。今回の研究成果は、2026年3月11日付で、科学誌Natural Hazards and Earth System Sciences にオンライン掲載されました。