中東情勢が混乱の一途をたどるなか、日米首脳会談のために就任後、初めてアメリカを訪問する高市総理。
対するのは、日本などに対しホルムズ海峡への艦船派遣要請について発言がぶれるトランプ大統領。
高市総理は自衛隊派遣をめぐり「法律に従い、出来ないことは出来ないと伝える」との考えを示しているが、中東情勢をめぐりどのような議論が交わされるのかは先行きが見通せない。
自衛隊の「艦船の派遣」は現実味を帯びるのか。自衛隊・制服組の元トップ、河野克俊元統合幕僚長に話を聞いた。(※インタビューは3月18日実施)
「トランプ大統領としても想定しなかったことが起きている」
―現在の中東情勢、ホルムズ海峡の状況をどのようにご覧になっているか。
河野克俊 元統合幕僚長:
トランプ大統領は短期で終わらせるという目論見でやられたと思います。最初に声明に出されている通り、空爆をやって、それでイランの指導部を倒して、そしてそれに応じて民衆が立ち上がるという図柄を描いたと思うんですけど、これが思い通りにいかず、それがさらに経済的な戦争にまで何か及んできているんですよね。その象徴が今焦点が当たっているホルムズ海峡を巡る攻防だと思います。これについては今、世界的にももう影響が出ていますし、トランプ大統領としてはあまり想定していなかったことが今起きていて、トランプ大統領の心情としては、とにかくどこかでけりをつけたい・終結したいという思いは強いんじゃないかと思います。
―その中で日本が置かれている状況はどのようにご覧になられていますか。
河野元統幕長:
トランプ大統領から護衛艦の派遣を求められていると。その理由は「ホルムズ海峡に大きく依存しているのは日本でしょ」と。「あるいは韓国、中国でしょ」と。ホルムズ海峡からタンカーが出られない状況になっているということについて「利害が大きく関わっている日本、あるいは韓国、中国はやはり手助けすべきじゃないか」と。こういうことで日本に要求が突きつけられているという状況で、まさにホルムズ海峡を巡って、ついに日本にまで影響が出てきたということだと思います。
―日本が艦艇の派遣を求められましたが、大統領の発言が連日二転三転していく中で、こういう事態のときに日本は何ができるのでしょうか。
河野元統幕長:
いずれにしてもですね、自衛隊は法律に規定されているものしかできないんですよね。ここがちょっと他の国とは違うところで、日本の場合は警察予備隊からの流れを自衛隊が汲んでいるものですから、自衛隊法の成り立ちが一般の軍隊のような作りじゃないんですよね。要するにやっていいこと・だめなことで規定されているわけです。ここのところがトランプ大統領があまり理解できていないところだと思うんですよ。これはトランプ大統領の感覚でいけば「高市総理が決断すればできるはずだ」と、おそらく見ていると思うんです。ただし、日本の場合は高市総理が決断しようにも、法律以外のことはできないわけですから。ここのところがおそらくトランプ大統領は認識ができていないと思うんですね。

















