犯人は夏の季語にもなっているあのムシ

──シロアリなど害虫の仕業でしょうか?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「いいえ、この痕跡の犯人は…おそらくセミ。西日本ではおなじみのクマゼミではないでしょうか。

セミの幼虫が地中で暮らしていることは、よく知られていますね。しかしメスが卵を産む場所は、実は地面ではなく木の枝の中です。

メスはお尻の先にある硬い産卵管を使い、木の表皮に細い切れ込みを入れ、その中に卵を産みつけます」

──小さな切れ込みの中に?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「小さな切れ込みは、ひとつひとつが卵のためのゆりかご。傷は数ミリほどですが、母セミがせっせと同じ枝に卵を並べていくため、何十個も連なる独特の模様になります。

興味深いのは、セミが必ずしも生きている枝に産卵するわけではないことです。重要なのは、ある程度の硬さがあり、乾きすぎていない木質であること。

そのため今回のような添え木や支柱、枯れ枝などにも産卵することがあります」