これから梅雨などの出水期を迎えるのを前に、警報などの防災気象情報のシステムが今月(5月)29日から大きく変更されます。

自分たちの身を守るため正しく情報を得られるように、主な変更点、そして新たに示される情報を詳しくお伝えします。

(竹内大樹キャスター)
「こちらは去年8月に放送したRSKイブニングニュースです。

対象となる災害への警戒が必要な時に発表される、こちらの警報。今月29日からそのシステムが一新されます」

近年、全国で毎年のように発生する大雨などの災害。岡山県でも、2018年7月の西日本豪雨では61人が犠牲になり、倉敷市真備町では町の約3割が浸水するなど、甚大な被害が出ました。

激甚化する災害に対応するために。河川の氾濫や土砂崩れなどそれぞれの危険に対応した避難行動が取れるようにと、気象庁は新たに防災気象情報のシステムを見直しました。

(岡山地方気象台リスクコミュニケーション推進官 池畠平三郎さん)
「今までは非常に分かりにくいといったことがあったので、新たに細分化してレベルごとに発表される形になります」

主な変更点の一つが、危険度のレベル分けです。

こちらは現在の災害の情報と、それに伴う危険度を表にしたものです。例としてレベル4相当の情報を見てみると、河川の氾濫に関しては「危険情報」、土砂災害に関しては「警戒情報」と異なる名称になっていて、洪水や浸水については該当する情報がないなど、横並びで統一されていません。

一方、新たなシステムでは、警報はレベル3、自治体からの避難指示が発令されるクラスとされる危険警報はレベル4、特別警報はレベル5とし、それぞれを統一して表示することで、その危険度に合わせた避難行動を取るよう促します。

実際にこうした情報が発表された際には、テレビの画面などにも、このようにレベル分けが明確に表示されることになります。

(岡山地方気象台リスクコミュニケーション推進官 池畠平三郎さん)
「レベル3ですけど、高齢者であるとか、お子さん、外国人など、避難に時間のかかる方は、早めに避難することが重要です。レベル4については、それまでに実際に避難しておくことが重要です。全員避難です。レベル5は切迫しているので、命を守る行動をとってもらう必要があります」
(Q.レベル5になってから避難するのでは遅い?)
「遅いです」

また、現在は土砂崩れなどの危険性がある場合も大雨に関する情報に含まれていますが、今後は別々に発表されるようになるのも大きなポイントです。

理由としては、浸水などと土砂災害では、避難行動に大きな違いがあるためです。河川から水が溢れる「洪水」や建物が水に浸かる「浸水」は、対象のエリアから逃げ出すことが難しい場合、

背の高い建物の上に逃げるいわゆる「垂直避難」も効果的で、西日本豪雨の際にも多くの人が大きな病院などで難を逃れました。一方、土砂災害に関しては建物ごと倒壊するリスクが高いため、

危険とされるエリアからいち早く逃れる「水平避難」が重要になってきます。

(竹内大樹キャスター)
「公民館など各地に設置されている災害時の避難場所。その立地や規模により対応する災害の種類が大きく異なります」

こちらの公民館は、土砂災害からは避難できるものの、洪水からの避難には対応していません。土砂崩れが起きやすい山の斜面などからは離れているものの、平屋のため、洪水からの避難には適していないのです。

こうした情報は自治体のハザードマップに記載されているため、これらの違いを普段から認識し、備えておくことが大切だと担当者は話します。

(岡山地方気象台リスクコミュニケーション推進官 池畠平三郎さん)
「自宅であるとか、職場であるとか、学校周りなど、危険があるところは普段からハザードマップ等で確認してもらうことが重要になってくると考えています」

(スタジオ)

ー河川氾濫についての情報は全国約400の大河川を対象にその危険性を伝えるもので、河川の名前とともに、水位がどのようになっていて、氾濫した場合はどのエリアで浸水が想定されるのかが発表されます。
ー香川県では香東川と土器川が、岡山県では3大河川の吉井川・旭川・高梁川に加え、2018年の西日本豪雨で甚大な被害をもたらした小田川などが対象です。

ーただ、対象となる区間は国、もしくは県が管理する部分のみなので、岡山県の3大河川については、県南の中流域から下流域でしか発表されません。

県北の流域で危険が迫っている場合は分からないということですか?

ー対象地域外の岡山県北では、「河川氾濫」に関する情報としてではなく、「大雨」に関する情報に含まれて発表されるので注意が必要です。

また、「土砂災害」や「高潮」の情報に関しては、予測の精度が上がったことや、過去の被害状況を見直したことで発表の基準が変わりました。

レベル4の「危険警報」が発表される程度でない限り、原則としてレベル3の「警報」は発表されません。反対に言うと「警報」が発表されると、高い確率で「危険警報」へと変わるということです。

「土砂災害」の場合は約1時間で、「高潮」の場合は約6時間で警報から危険警報に変わるということですから、事前に心構えをしておくことも非常に大切です。

また、避難の呼びかけは自治体によっても変わりますので、非常時はお住まいの地域から出る情報をチェックしてください。新たな防災気象情報についてお伝えしました。