アカデミー設立のきっかけ…ろう者の父親が断念した“夢”
尾中さんがデフアカデミーを設立した理由、それは自身の生い立ちにあります。
尾中さんの母・幸恵さんと父・浩治さんはどちらも、耳が聞こえません。手話で会話しながら、耳が聞こえる尾中さんや妹たち3人を育てあげました。そんな中、尾中さんは高校生のとき父の職場での姿を初めて知りました。

(尾中さんの父 浩治さん)「組み立ての仕事をする会社に入り、流れ作業の仕事をやるわけです。耳が聞こえない、名前を呼んでも聞こえない。聞こえる人の場合は、名前を呼ばれると振り向くことができるんですけど、聞こえない人の場合は気づかずに仕事をしています。すると、後ろからボルトが飛んでくるんです。わたしの背中にボルトが毎日。就職して以来ずっとそんな毎日だったんです。でもある日我慢ができなくなって、私は腹を立てて胸ぐらをつかんで怒ったんです」

(尾中友哉さん)「お父さん像が僕なりにある。なのに職場では人間扱いをされていない。違和感があった、納得できなかった。同じお父さんとは思えなかった」
父には本当は教師になりたいという夢がありました。けれど、障がいを理由にそれを断念したといいます。
耳が聞こえなくても夢を諦めないでほしい、この気持ちが尾中さんの活動の原点です。














