あけがたにくるのは、誰?
──ところで、晩年の詩「あけがにくる人よ」の「くる人って誰なの?」とさまざまな解釈がありますが、若松さんはどのようにお考えですか。
(若松英輔さん)
「どういう人かっていうことよりも、どう言ったらいいんでしょうかね。自分にだけ感じられる、僕の言葉で、不可思議な隣人なんですけど。
人ってそういう人って生きているんじゃないでしょうか。そして詩の世界というのは、僕は全然空想って意味ではなくて、むしろ、現実社会よりもはるかに深い現実だって僕は言いたいんですけどね。
そういう人ってみんなにいるんじゃないでしょうか。でも、それは人には言わない。人には言えない。
だけど、永瀬さんがああいうふうに言葉にしてくださると、あ、そういう存在は自分にもいるっていうことに、やっぱり我々が気が付いていくってのがやっぱり大事で。
永瀬さんにとって、あそこで描かれているのがどういう人だったかってことは、実は我々にはあんまり大事なことではないかもしれない。
だけど我々にとってそういう存在がいるってことは僕は素晴らしいことだと思うし。人生を限りなく豊かにしてくれるものだとも思います」














