山口県の上関町の原発建設計画をめぐり、中国電力が計画に反対する住民団体に海上でのボーリング調査を妨害しないよう求めた裁判です。地裁岩国支部は5日、原告の訴えを全面的に認める判決を言い渡しました。

この裁判は、中国電力が上関原発建設に向けた海上のボーリング調査を妨害しないよう、計画に反対する「上関原発を建てさせない祝島島民の会」に求めたものです。

訴えによると中国電力は、過去何度か島民の会に作業を妨害されていて、今後も妨害される可能性が高いと主張。県が許可する公有水面埋め立て権、予定海域で埋め立て工事を行う権利があることを根拠に工事を妨害する者を排除できるとしていました。

一方、島民の会は「予定地での工事が中断し、埋め立て工事の見通しが立っていない状態では権利の乱用だ」と主張しました。

判決で小川暁・裁判長は、中国電力の権利を認め「島民の会は、中国電力の海上ボーリング調査を含む公有水面の使用を妨害する一切の行為をしてはならない」と
原告側の訴えを全面的に認める判決を言い渡しました。

裁判所前で判決を待っていた島民の会のメンバーなどからは、落胆と怒りの声が上がりました。

上関原発を建てさせない祝島島民の会のメンバーら
「一体どこに根拠がある。この不当判決、おかしいよ。権力ばっかり大切にするな」

中国電力上関原発準備事務所 仲田大輔 副所長
「海上ボーリング調査は安全かつ安心な原子力発電所の建設に向けて必要なものであると考えておりまして、安全かつ確実な調査の実施に向けて引き続き取り組んで参りたいと考えています」

判決後に島民の会は報告集会を開きました。

上関原発を建てさせない祝島島民の会 木村力 会長
「怒りみたいな感情は僕はエネルギーになると思っております。もうむちゃくちゃな解釈をして判決を出したという印象です」

弁護団は公有水面埋め立て権に妨害を排除する権利も認める拡大解釈で、被告の主張の一部を無視した不当判決だと声明を出しました。

上関原発を建てさせない祝島島民の会 事務局長 清水康博 町議会議員
「町民がこの町には原発いらないと、中間貯蔵もいらないよっていうことになれば、白紙撤回に持っていけるというふうに思っておりますので」

島民の会は、広島高裁に控訴することにしています。