なむしちょうとなる とは?
──『なむしちょうとなる』はどうでしょうか。
(東洋産業 大野竜徳さん)
「七十二候の『なむしちょうとなる』は、あおむしが蝶へと羽化するころを示します。たとえば、暖地では越冬個体が早春から活動を始めるチョウ類がいます。
菜虫といえば葉物野菜につく虫、となると想像されるのはあおむしの成虫のモンシロチョウでしょうか。モンシロチョウは秋、日長が短くなると蛹になるスイッチが入って越冬準備をします。この蛹はただ暖かい場所に置くだけでは羽化しません。
一般的に、秋に蛹になるモンシロチョウの休眠蛹は低温を耐えるための特別な体になっており、低温を経ないと休眠が維持され、温かいままだと「まだ冬が来ない=春はまだ先だ」と勘違いして、じっと冬を待ち続け、正常な羽化ができずに死んでしまうものが多く出ます。
秋に見つけたモンシロチョウの蛹は、かわいそうだと家の中で温めてしまっていると逆効果で春が来ても羽化できません。
寒い冬、0~10℃の範囲で一定期間の低温に2ヶ月程度さらされることで、はじめて休眠が解除(休眠打破)されて成虫になる準備が整います(期間は個体群や地域で変動し、休眠深度にも差はあります)。
そして休眠打破の準備ができた蛹は、春を感じるおよそ15℃〜20℃以上の温度にさらされると、いよいよ体の形成が再開され、10日〜2週間ほどで羽化します。
今年は2月にも暖かい日がありましたが、ここ岡山では例年3月上旬には最高気温が15℃を超える日が連続して出てきます。
地域差はありますが、3月中旬以降、南西日本でも初見記録が出始める時期です。ただし、これは全国一律ではなく、北日本ではまだ雪が残る地域もあり、少し遅いところもありますね」














