アメリカとイスラエルがイランを攻撃し、緊迫する中東情勢。
原油価格の高騰などが懸念されるなかで、私たちの家計や県内経済には、どのような影響があるのでしょうか?

新潟市西蒲区のガソリンスタンド・イエストセルフでは2日、これまで142円だったレギュラーガソリンの価格の値上げに踏み切りました。
3日の価格は、1リットルあたり147円になっています。

【イエスト 平倉浩幸 常務】
「イラン攻撃があってから昨日までの原油価格が10%ほど値上がりしています。どうしても在庫が(仕入れ値の)高いものになってしまったので、本日より5円上げて147円にしました」

イランの南部に隣接するホルムズ海峡は、日本で使う原油のおよそ8割が通過するとされるエネルギーの“生命線”です。

アメリカとイスラエルによる攻撃を受け、イランの革命防衛隊はこの海峡を封鎖したと発表していて、日本のタンカーも足止めされています。

これまで1バレル60ドル台だった原油の先物価格は2日、一時75ドル近辺まで上昇しました。

イラン情勢の緊迫化に伴いガソリンの値上げが予想されたことを受けて、土日はこちらのスタンドでも客足が大幅に伸びたそうで、3日の取材中も続々と客が給油にやって来ていました。

Q値上げのニュースは見た?
【給油に来た人は】「見た。見たからきょう、全部は入らないけど入れに来た。年金生活だから少しでも安いほうがいい」

【給油に来た人は】「しょうがないですよ。車は必要なので」

情勢が落ち着くまで価格上昇は免れないとして、スタンド側も歯がゆい思いを抱いています。
【イエスト 平倉浩幸 常務】「これから春を迎え、ガソリン暫定税率もなくなって皆さんが動きやすい、ドライブしやすい、楽しい思いを描いていたが、またここにきて原油が高くなって、ドライブしづらいのかなというのがものすごく悲しい」

イエストの平倉 常務は灯油も含めて、しばらくは値上げ局面が続くため、早めに満タンにしておくことをおすすめしています。

この軍事衝突は私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか?

経済に詳しい新潟医療福祉大学の栗井英大 准教授は、「長期化すれば家計や県経済への悪影響が懸念される」と話します。

【新潟医療福祉大学 栗井英大 准教授】「日本の場合は火力発電に依存していて、その燃料は原油や天然ガス。それに伴って電気代が上がる。ガソリンや軽油が上がることによって輸送コストが上がるので、それに伴い商品価格が上がっていくという懸念もある」

また、日本経済の悪化が予想される中で円安が加速し、原油の輸入価格がさらに押し上げられるという悪循環に陥るおそれもあるとみています。

【新潟医療福祉大学 栗井英大 准教授】「企業の収益に悪影響が及ぶと、賃金・雇用への悪影響、さらに言えば個人消費に悪影響が及ぶ、そうなっていけば経済全体が落ち込んでいくという懸念がある」

今後、中東情勢はどうなるのでしょうか。新潟市出身で中東を拠点に活動するフリージャーナリスト曽我太一さんに聞きました。

【中東を拠点に活動するフリージャーナリスト 曽我太一さん(新潟市出身)】「イスラエル・アメリカとイランというのは元々敵対はしていて、いつ攻撃の応酬が始まってもおかしくないという状況ではありました」

曽我さんによりますと、国家間で交渉が進んでいるうちは基本的に攻撃しないというのが“中東の定石”。

しかし、今回はアメリカとイランの間で核を巡る協議が続いていた中で攻撃が始まりました。

「そもそも、この交渉自体が本当にアメリカが交渉する気があったのかどうかというところも疑問符が付けられているところではありますけれども、実際に始まってしまったので、そこはちょっと驚いた部分はやはりあります」

また、イランの最高指導者・ハメネイ師が殺害されたことについて曽我さんはこう解説します。

「国家元首であったとしても、アメリカが気に食わないリーダーなのであれば、手がかけられてしまうという前例になったとは思うので、今後の国際情勢にどういう影響を与えるのかというところも、今後は懸念されるところだと思います」

日に日に攻撃の応酬は激化していますが、曽我さんは、1年や2年という単位までは長期化しないとみています。

「もちろん、この緊張状態みたいなのは続くかもしれないですけれども、強度的に下がっていく。イスラエルとアメリカが攻撃を続けて、体制転換を促すところまでいけるのか。その時点で、市民が声を上げるのかどうなのか、それ自体にもよると思う」