福島第一原発事故の教訓は生かされているのでしょうか?
原子力政策が“大きな転換点”を迎えました。
政府は、最長60年としていた原発の運転期間を実質的に延長するなどした新たな方針を、22日決定しました。

福島第一原発事故からまもなく12年…およそ2万8千人が、いまだ福島県の内外で避難生活を送っています。

原子力政策をめぐり、22日に新たな方針が示されました。

岸田総理「現在直面するエネルギー危機に対応した政策を加速していくためには国民の地域の信頼を積み上げていく地道な取り組みも不可欠」



福島第一原発の事故を受け、政府は、原発の運転期間を運転開始から原則40年と定め審査に合格した場合に限り、20年の延長を許可しています。

新たな方針では、運転を停止していた期間の追加延長を許し実質、60年を超えた原発の運転を認めるものとなりました。



さらに、廃炉が決まった原発を次世代型へ建て替えることなども決定しました。

小枝佳祐記者「政府方針の転換にいまも廃炉作業が続く福島第一原発が立地する大熊町の住民はどのように思うのでしょうか」

2019年の避難指示解除後、大熊町に戻った夫婦も新たな方針に複雑な心境を抱いています。

大熊町の伏見明義さん「安心安全と言ってもやっぱりわからない。口ではなんとも言えるけど、いざ大きな地震なんかきたりすると、どうなるかわからないから」
妻・照さん「やっぱり孫たちの時代が果たして安全にいくかどうかは一番心配するところだよね」

原発事故後、政府はこれまで原発の建て替えなどは「想定していない」としていましたが、この方針を大きく転換するものとなりました。