二デックは2月26日、創業者の永守重信氏(81)が同日付で名誉会長を辞任したと発表しました。

▽不適切会計疑惑で第三者委が調査

 永守重信氏(81)は、1973年に前身の「日本電産」を創業。一代で世界屈指のモーターメーカーに育て上げました。2018年に経営トップから1度は身を退いたものの、“後継者選び”が難航し、再び経営トップに返り咲きました。

 しかしニデックをめぐっては、子会社の中国法人と取引先との間で、約2億円に上る不適切な会計処理が行われた疑いなどがあるとして、第三者委員会が現在調査していて、東京証券取引所からは「特別注意銘柄」に指定される事態となっています。

 去年12月、永守氏は代表取締役グローバルグループ代表を辞任。

 そして、2月26日付けで、名誉会長も辞任しました。

▽「私自身が潔く道を譲り率先してその範を示すことこそが、未来に対する最後にして最大の責務であると確信」

 名誉会長辞任にあたって、永守氏はメッセージを発表しました。

〈永守氏が公表したメッセージ〉
私は今、50年におよぶ経営の責務に自ら終止符を打ちます。振り返れば、若き日に京都の自宅で仲間3人とともにこの会社を創業した1973年のあの時以来、私の胸に宿っていたのは、ただ一つ。この会社を通じて、社員と共に、社会に貢献し、世界に比肩する価値を創造するという熱い思いでした。それこそが「私の夢」であり、そのために、社員とともに、努力と我慢を幾重にも積み重ねて、会社を確と育てて参りました。その歩みこそ、私の人生そのものでもあります。

▽「私が静かに去ることで生まれるこの空白は、新しい歴史を縦横無尽に描き始めるための『白いキャンバス』」

〈永守氏のメッセージ〉
いま、ニデックの不正経理の疑義を巡って世の中を大変お騒がせしていますが、この点、改めてお詫び申し上げます。私にとってこれはまさに慚愧の至りであり、もって、この際、潔く自ら身を引くことを決意しました。ただし、私がここで為さんとしていることは、単に身を引くということではありません。ニデックが真に再生し、再び誇りを取り戻すためには、これまで会社を引っ張ってきた私自身が潔く道を譲り率先してその範を示すことこそが、未来に対する最後にして最大の責務であると確信したのです。私が静かに去ることで生まれるこの空白は、ニデックの次世代を担う者たちが新しい歴史を縦横無尽に描き始めるための「白いキャンバス」になるのです。

改めて申し上げます。ニデックが再び輝きを取り戻し、社会の公器として、社会に真に必要とされ信頼される存在として再起すること。
それこそが、私の残した唯一の祈りです。

▽「次世代に対して、全幅の信頼をもって、ニデック再生の舵取りの全てを託したい」

〈永守氏のメッセージ〉
これまで私は、自らの良心に照らし、自分の人生のすべてをかけて、私としての社会的責務を全うしようと努めてまいりましたが、いまこそ、まさに潮時です。本日をもって、ニデックという私の物語は終わり、それに続いて、次世代がニデックの新しい物語を紡ぐ時代が始まります。まさに新生ニデックの幕開けですが、本日の決断が正しかったかどうかは、何よりもこれから再生をやり遂げる次世代の姿が証明してくれるはずです。改めて、次世代に対して、全幅の信頼をもって、ニデック再生の舵取りの全てを託したいと思います。

本日をもって、「経営者としての私の物語」にピリオドが打たれますが、それは私にとって、「新たな私の物語」の出発点でもあります。私は、1944年生まれの81歳。この齢にして、「更なる人生のステージ」に向かって、人材育成という「もう一つの私の夢」に本格的に挑戦していきたいと思います。

そして、ニデックのことですが、いうまでもなく、ニデックは永久に不滅です。
後事を託した次世代の手でもって、いまの試練を完全に克服し、必ずや、「新生ニデック」として、誠実で信頼性ある真のグローバル企業へと蘇っていく、私はそう確信しています。
ですから、ステイクホルダーの皆さん、新生ニデックを、これまで以上に愛し続けてください。これこそが、私からの最後のお願いでございます。

いよいよお別れの時です。我が愛するニデックに栄光あれ。
長い間、誠にありがとうございました。

2026年2月26日 永守重信