高齢者が介護施設の職員などから虐待を受けたとされる件数が、昨年度は全国であわせて739件に上り過去最多だったことが、厚生労働省の調査で分かりました。

厚生労働省は、介護施設などの職員による高齢者に対する虐待について、各都道府県と全国すべての市区町村に相談や通報が何件あったかなど実態に関する調査を行っています。

調査によりますと、昨年度、高齢者が職員などから虐待を受けたとされる件数は全国で739件で、前年度よりも144件増え、2006年度の調査開始以来、過去最多となりました。「身体的虐待」を受けた人が51.5パーセントで最も多く、次いで「心理的虐待」が38.1パーセント、「介護などの放棄」が23.9パーセントでした。

高齢者が介護職員などによって虐待される事例は、この10年で5倍近くに増えていて、厚労省は要因として「高齢者の虐待に対して社会的な関心が高まったことによって通報の必要性が定着してきているため」としています。