「反対意見」3つのポイント

【解説】TUF木田修作
今回の判決の反対意見は、判決文26ページのうち、半分以上の16ページが割かれていて、そのポイントは、3つあると思います。

1つは、国に代わって、県が避難者を訴える資格「原告適格」はないとしました。国家公務員住宅は国の持ち物ですから、明け渡しを求めるのは本来は国であるべきですが、それを県が行うということができるか否かは、一審から争われてきました。これを三浦さんは県にその資格がないとしたわけです。

2つ目は、2017年3月に、自主避難者への住宅提供を打ち切るなどした内堀知事の判断について、「社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権を逸脱し、濫用したというべき」と厳しく評価している点です。こうしたことから、反対意見では、審理を二審の仙台高裁に差し戻すべきとしています。

3つ目は「避難を継続するか否かは、個人の選択の問題」と自主避難についても、避難の相当性を認めました。

そして、意見の最後で、被災者への支援について、「必要性が継続する間、確実に実施されるようその居住の安定に資するための措置について適切な仕組みの構築が望まれる」と結んでいます。

ただ、今回の判決で、避難者側の敗訴が確定しました。およそ30件あるとされる同様の裁判への影響は避けられないと思います。それでも、少数意見とはいえ、司法がこうした厳しい指摘をしたことに対して、県も向き合う必要があるのではないでしょうか。