シリーズでお伝えしているトランプ政権誕生から1年「割れるアメリカ 揺れる世界」。今回は「アメリカを離れる人たち」についてです。近年、アメリカからスペインに移住する人が増えています。背景には家族や価値観をめぐる葛藤がありました。
スペインの首都、マドリード。
リズ・ガルシアさん(27)は去年9月、フロリダ州から移住しました。両親がキューバ出身で、自身もスペイン語が話せることから中学校で英語の補助教員として働いています。アメリカを離れたのは、働いていたNPOで差別を受ける人たちを目の当たりにしたからでした。
キューバ系アメリカ人 リズ・ガルシアさん
「低所得者や移民家庭など、トランプ政策に影響を強く受ける人たちと仕事で深くかかわったことで、アメリカは自分の居場所ではないと感じるようになりました」
スペインで給与は減ったものの、精神的な余裕が生まれ、自由を感じられるようになりました。
一方、トランプ支持者の父親とは2年間、会話が途絶えています。女性蔑視的な発言をされ、度々、口論となっていました。
キューバ系アメリカ人 リズ・ガルシアさん
「トランプは特別な存在ではありません。米国が抱える問題を映し出した人物にすぎない。彼の政策の多くは以前からあったもので、それが昔からの父の姿そのものなんです」
スペインへの移住者は増加傾向にあり、アメリカ出身者の人口は去年、7000人あまり増えました。
移住を支援する会社によりますと、トランプ政権に不安を抱く性的少数者やその家族からの相談が多く寄せられているといいます。
「ステップス・リロケーション」 リディア・マルティネスCEO
「去年はアメリカからの移住相談は5%増え、今年は同じか、それ以上増える見通しです」
トーマス・シメルドさん(48)は、おととし、同性のパートナーと前の妻との間にもうけた20歳の娘とともにノースカロライナ州から移住しました。移住の最大の理由は、トランスジェンダーで自閉症のある娘が生きづらさを抱えていたことでした。
娘がトランスジェンダー トーマス・シメルドさん
「アメリカに住んでいた最後の頃は、娘は家から出ようともしませんでした。ずっと自分の部屋にこもっていたんです」
アメリカではトランスジェンダーのための治療を拒否されることもありましたが、多様性に寛容なスペインに来てからは治療を受けやすくなり、外出や友人との交流もできるようになりました。
娘がトランスジェンダー トーマス・シメルドさん
「スペインで娘の人生は、はるかに豊かになり、生活の質が格段にあがりました。娘も、そして私たちも普通でいられるのです」
ビザや税制面での優遇など「移住推進策」もあり、スペインが選ばれていると専門家は指摘します。
移住者への税務アドバイスを行う フェデリコ・ゴンザレス弁護士
「文化、食、気候に恵まれ、多様性があること。そして、比較的安く住めることから経済的な魅力もあります」
トランプ政権の強硬姿勢が続く中、移住相談はさらに増えていて、「トランプ移民」として、より住みやすいスペインを目指す動きは今後も続きそうです。
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