30年後(2052年度)の完全復旧に向け、工事が進む熊本城。
被災当時、多くの人が心を寄せた「奇跡の一本石垣」は二度と崩れない石垣に生まれ変わろうとしています。
熊本地震で石垣が大きく崩れ、その一角が奇跡的に残った飯田丸五階櫓(いいだまる ごかいやぐら)。今年、2022年10月から崩れた石垣を積み直す復旧作業が始まっています。

地震で割れて修復できなくなった石は、不要となった石を使って、その形を再現。

過去の写真や図面をもとに、1つ300キロから1トンにもなる石、約1650個をクレーンで一つ一つ元の場所へと積み直していきます。

一日に運べる石は多くても10個ほどで、約470平方メートルの広さがある石垣の復旧作業には、来年度いっぱいかかるということです。

記者
「今回初めて石垣の中に組み込まれているのが、格子状のグリグリッドと呼ばれるもの。これで耐震性が大幅に強化されるということです」

補強材のグリグリッドを石垣の間に組み込み、石が動かないよう固定することで、「二度と崩れない石垣」を目指します。

熊本市 熊本城総合事務所 岩佐康弘 副所長
「熊本城の復旧の中で、一番労力を費やしているのが、石垣の復旧です。その復旧する姿を、生の姿で皆様にお伝えできればと」

五階櫓の完全復旧は、4、5年後だということです。