肛門のない赤ちゃん…言えなかった

1968年、長崎・五島列島の奈留島。当時19歳の岩村さんは、美容室の住み込み店員として働いていた際、カネミ倉庫製の米ぬか油を口にしました。

ふきでものをはじめ、全身に壮絶な症状が現れました。5年後の1973年8月、24歳で長男・満広ちゃんを出産しました。生まれた我が子を見て、岩村さんは言葉を失いました。

満広ちゃんは、生まれつき肛門が閉鎖しており、口唇口蓋裂があり、心臓は大動脈と肺動脈が逆についている重篤な状態でした。肌はどす黒く、いわゆる「黒い赤ちゃん」でした。