今、神社などの池や泉に小銭を投げ入れる“投げ銭”が各地で問題となっています。よかれと思った行為が罰当たりに!?神社が注意を呼びかけています。

カメラを池の中に入れると…底には大量の小銭が!思わぬ“投げ銭”が今、問題となっています。

茨城県日立市にある「泉神社」。創建は紀元前とされる由緒ある神社です。名前の由来にもなっているのが…こちらの泉です。どこか神秘的で、青く透き通った水面。その水質は「平成の名水百選」にも選ばれるほどです。

ですが、今ある問題に頭を抱えているといいます。

泉神社 大塚祐慶 宮司
「こちらの泉に硬貨を投げ入れられてしまったというのが現状」

5円玉に…こちらは銀色の硬貨。水がきれいなだけに、いやでも小銭の存在が目立ちます。

水質の良さからザリガニやカモなどもいる“神聖な泉”。水質が悪化することを心配した宮司は…

泉神社 大塚祐慶 宮司
「本来であれば景観を損ねるということで看板を置きたくないんですけど、仕方なく置いている状況です」

年に3回ほど氏子たちが集まり、ボランティアで小銭の回収に当たってくれていますが、深いところで水深が2メートルほど。作業はそう容易ではないといいます。

泉神社 大塚祐慶 宮司
「神様がいらっしゃる場所になるので、そこを人間の手で汚したりするのは反しているのかなと思います」

こうした問題は、他の場所でも…。

世界遺産の構成資産の1つになっている山梨県の忍野八海。富士山の澄み切った雪解け水が湧き出た透明度の高い池が人気の観光地です。

今、その池は底には無数の白い粒のようなものが…。さらに深く潜ると見えてきました、「小銭」です。それも、この量です!こちらでも、観光客による小銭の投げ入れに頭を悩ませています。

映像を提供してくれたのは県と村に許可を得てボランティアで小銭の回収作業をしているダイバーの坂本さん。

ボランティアダイバー代表 坂本新さん
「もう何層にも砂利とコインと砂と砂利とコイン。積み重なっている状態なので、掘れば掘るほどコインが出ている」

小銭がなんと1メートル以上積もっているところもあったといいます。1回で回収される量はバケツ3個分以上。村は小銭を投げ入れないよう看板などで呼びかけをしていますが、状況は一向に改善していないといいます。

山梨・忍野村 社会教育担当
「景観はもちろん、池の中の生態系への影響もあるため、小銭の投げ入れはやめてほしい」

村は対策として、賽銭箱の設置などを検討しています。