ミャンマーでは、あさってから軍事政権が主導する総選挙の投票が始まりますが、投票を強制したり、言論を統制するなど、国民への弾圧が強まっているといいます。現地の状況を取材しました。
きのう、JNNが取材に入ったのは、ミャンマーの最大都市ヤンゴン。
2021年2月1日に起きた軍事クーデターの直後は、道路を埋め尽くすほどのデモ隊が軍への大規模な抗議活動を繰り広げていましたが…
記者
「ヤンゴン市内では、かつて軍に反発する多くの市民が抗議の声をあげていたんですが、いまはもうそうした動きは見られなくなっています。クーデターから5年が経とうとするいま、始まるのが軍主導の総選挙です」
今月28日から始まる総選挙の投票日を控え、選挙戦最終日のきょうは、親軍派政党が集会を開いていました。
親軍政党「人民党」 テ・テ・カイン党首
「ミャンマー情勢は2021年以降、非常に厳しい状況です。だからこそ国民全員にとって、選挙が大きな意味を持つのです」
軍は2020年にアウン・サン・スー・チー氏率いる民主派政党が圧勝した選挙について、「不正があった」と主張。
今回の総選挙で民政移管を目指すとして、来年1月にかけて3段階の投票を行う予定ですが、民主派政党は排除されたため、親軍派の勝利が確実な情勢です。
選挙について、市民の受け止めを聞いてみると。
ヤンゴン市民
「投票に行けと言われれば、行くしかない」
「選挙のことは話せない。安全じゃないから」
ミャンマーの独立系メディアは、軍が国民に親軍派政党への投票を強制していると指摘。さらに、SNSで選挙に批判的な投稿をしたといった理由で、一般市民や活動家、メディア関係者など数百人が拘束されるなど、言論の統制が強まっているとしています。
記者
「選挙集会の会場付近には、銃を持った警察官が集まっています」
国内各地で内戦が続くなか、民主派などの武装勢力が選挙に抵抗する可能性もあり、混乱がさらに広がるおそれもあります。
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