広がり始めた支援の輪

こうしたことから那覇市では2023年から、市が管理する公共施設へ設置協力の呼びかけを始め、2025年12月現在では市内約20施設に84個が設置されるに至った。沖縄行政評価事務所では今後も、男性用トイレへのSB設置の普及を関係機関に働きかけていくとしていている。

サニタリーボックス利用ルールの掲示例


久保田さんは、男性用トイレにSBが置かれることで大きな安心感を得られるとした上で、まだ馴染みの薄い設備だからこそ、正しい使用ルールの掲示と併せて、一層普及させていくことの重要性を訴える。

<取材MEMO>
男性用トイレのサニタリーボックスという “小さな箱” は、病気や加齢といった身体の変化を抱えながらも、安心して社会活動に参加するための「安心のインフラ」だ。その普及は、誰もが尊厳を持って自分らしく暮らせる、優しい共生社会の実現に向けた確実な一歩となるはずだ。(取材 與那嶺啓)